なにわ筋線は、大阪随一の繁華街である梅田から、関西の航空における玄関口、関西空港までの時短を目標として、2031年春の開業を目指して総工費3300億円を書かけて建設されることとなっています。南海悲願の梅田進出事業でもあります。
今回、2019年3月11日から19日にかけて、大阪市内にてこのなにわ筋線の説明会が各地で行われていました。時間的に都合がつかないので、知人に代わりに出席してもらってきたのですが、なかなか興味深い内容でした。
今回、その説明会の資料が20日に公開されたので、説明会での質疑内容も含めてご紹介していきます。
新難波駅

今回もっとも注目される、南海新難波駅。独立した地下六階の駅構造物が、阪神高速を挟んで上下線別に建設されるようです。これは、おそらく阪神高速道路の基礎を避ける目的と思われます。
この画像の下辺りに建設されます。道路部分は北行き、民有地部分には南行きホームが建設されるものと思われます。
深さは大深度地下と呼ばれる50m級で、これまで最も深かった長堀鶴見緑地線大阪ビジネスパーク駅の32.3mの記録を大幅に更新する駅となります。

断面図を見てみると、新今宮から高野線もビックリの44‰の超急勾配で下っていき、地下50m手前(!)のかなり深いホームとなっていることがわかります。
新難波~新今宮
新今宮~新難波間については、国道25号線を越えた後にパークス通の道路の真ん中を使って地下に潜り、両脇を道路とするようです。
また、説明会では木津川市場付近で東西方向の道路横断ができなくなると説明されており、何らかの救済策を取る…としています。
【参考】:‰ パーミルとは
1000m進んで何m上下したかを表す単位。44‰なら1000m進んで44m下がることになります。
急勾配で知られる南海高野線 高野下~極楽橋間や神戸電鉄・叡山電鉄など山手を走る鐡道で最急50‰ですから、相当な勾配であることがわかります。
直線区間であることから、おそらくは高野線50‰山岳区間対応車のような車体長の短い列車にはならないと思いますが…果たして。
また、急勾配はお手の物な2000系が、爆音で唸りを上げながら走行する姿が見れるのでしょうか。
新難波/JR難波~西本町
南海新難波、およびJR難波から西本町の間は複線シールドで通ることになりますが、この区間では直上に道路がないことから、民有地の下を通ることとなっています。
この地域にある建物についてはそのまま使うことが出来ますが、建て替えの際は都市計画法、及び立体都市計画法による規制がかかるとのことです。

道路下に戻るのはなにわ筋の堀江交差点からで、大日本印刷大阪支店のあるビル直下附近で南海とJRとが分岐するようです。
また、当初予定されていた西大橋駅などのその他途中駅については、勾配の関係で途中駅が作りづらいこと、地下深くに駅を建設すると採算性が悪化することから断念したとのことです。
西本町駅・中之島駅

途中駅となる西本町駅は、地下三階の島式ホーム。中央線本町駅とは徒歩連絡になります。
地下トンネルでの乗り換え駅にならないのは、阿波座~本町の中間地点を通過する為で、位置的に地下道などを作れる距離ではないことが理由とのこと。
また、南海・JRの事業区間はこの西本町駅までとなり、この先北梅田駅までを共同運行区間とする模様です。
中之島駅は地下四階と五階とかなり深い地下40m級の複層ホームとなっており、新難波駅に匹敵する深さです。これは京阪中之島駅西進のスペース確保と、北側を流れる堂島川・南側を流れる土佐堀川の関係のようです。地下二層の駅は、大阪だと今里筋線関目成育駅以来のものとなっています。
またこちらは西本町と違って、京阪中之島駅と地下での連絡を行うとのことです。
https://twitter.com/OsakaSubwaycom/status/1108214505857642496
いよいよ実現に向けて具体的に動き出したなにわ筋線。開業まで12年先とまだまだかかりますが、果たしてどのような姿になって開業するのでしょうか。
Twitterで先んじて今回の構想を書いたところ、皆さんかなり関心が高いようで既に500RT越えを達成しています。完成が非常に楽しみですね。
当サイトでは、できる限り建設の記録を追っていきます。
関連リンク
参考資料
なにわ筋線事業計画に係る都市計画素案説明会(2019年3月)
http://www.city.osaka.lg.jp/toshikeikaku/cmsfiles/contents/0000427/427888/setumeihaifu.pdf
なにわ筋線事業計画に係る都市計画素案説明会(スライド)
http://www.city.osaka.lg.jp/toshikeikaku/cmsfiles/contents/0000427/427888/setumeisuraido20190319.pdf