今頃気づいたんですが、「ナール」の採用で知られる阪急電鉄、もうすっかりナールの採用をやめはじめちゃってますね。
いつまで経ってもDTP化に舵を切らない写研に嫌気が差したのか、サイン交換時からは「イワタUD丸ゴシック」が採用され始めているようです。
【追記】イワタUDにフォントを変更した理由として、公式側はユニバーサルデザインへの対応が理由としています。
始めは写研ナールという丸ゴシックのフォントを使用していました。基本的には丸ゴシックなのですが、ユニバーサルデザインというものを考えようとなっていた頃に、ちょうど営業に来られたのもきっかけになって、現在はイワタのUDフォントを使用しています。
—-変更されたのは何年になりますでしょうか?
青木さん「2008年の出来事です(中略)
—-フォントの件ですが、なぜイワタUDフォントは見やすいと言われているのでしょうか?
高木さん「無駄な跳ねや払いがないというのが大きいです。小さくした時に文字が潰れないので、見間違いがないんですね。数字の6でも上部の先端が丸くなっていたら8に見えたりすることもないんです。」(中略)
青木さん「弊社の場合は、最初に売り込みに来ていただいたというので、イワタを使用しています(笑)。」
現行はイワタUD
出典:https://matome.naver.jp/odai/2133883151920255301
こちらが以前のナール仕様ですが、見比べると「だ」のハネの部分に違いがあるのがわかりますね。
例えばこの「阪急電車のりば(3」という表記。一見するとナールっぽいですが、よく観察すると「り」と「3」の表記がちょっと特徴的です。
特に全角の「3」は顕著で、イワタ社が用意している見本帳と見比べると、その相似性が一目でわかります。
出典:http://www.iwatafont.co.jp/font/img/pdf/ud/ud_dspbdyr-r.pdf
鉄道動画で阪急を再現したり、Webサイトを作られるようなクリエイター系鉄道ファンの皆さんは、これで心置きなく阪急電鉄の再現ができますね(笑)
なお、普通しか停まらないような小さな駅ではまだまだナールが使用されている例があるようです。
方向幕は健在
サインシステムでの採用は取りやめになっていますが、印刷コストもかからずドット打ちを自社で出来るLED方向幕の場合は、引き続き「ナール」が採用され続けているようです。
写研のフォントは、当時の熱狂を知る方には伝説的なフォントかもしれませんが、若年層には触れる機会も少なくなり、もはや「古いフォント」にしか見えなくなっています。
かつて一世を風靡した写研のフォントは、人々から段々と忘れ去られ始めています。
いつから?
阪急=ナールの定石が崩れたのは、Twitterを見ている限りは2013年からでしょうか。
先程の文献では2008年からとされていますが、駅名標など目につく部分では2013年頃に変更があったようです。