色々な鉄道の噂の真偽を研究する「電車の雑学研究所」シリーズ。ここでは鉄道にまつわる様々な雑学・噂・都市伝説を検証して、皆さんに楽しんで頂くカテゴリーです。
第五回は「EH200・500形はJR東海に入れない?」です。
(情報提供:通急2️⃣◯◯◯様)
運用範囲
EH200・500形はどちらも2連接の機関車。H形と称される車輪が8つあるグループです。
EH200(ブルーサンダー)
全車が高崎機関区に配置。EH200形の運用範囲は中央東線(東京~塩尻まで)、武蔵野線、篠ノ井線、上越線など。いずれもちょうどJR東海との交点までとなっています。
EH500(金太郎)
仙台総合鉄道部、門司機関区に所属。EH500形の運用範囲は東北本線(新鶴見~青森等)や関門海峡~幡生操車場など。かつては青函トンネルでの運用にも対応していました。
交直流電気機関車ということもあり、こちらは元々東海区間を運行する機関車ではありません。
この2車両(特にEH200形)が、どうもJR東海区間に入れないという噂があるようなのです。
線路使用料?
一説にあるのが、「JR東海が線路使用料を理由に拒否している」という話。
本来線路使用料は1両単位で支払う必要がありますが、EH形機関車は「2連接で1両」というJR貨物側の主張を、東海側が受け入れないという話があります。
鉄道ジャーナル誌に、以前こんな話が上がっていたことがあります。
EH500の車体は2分割されているが1車体では運用できないため、あくまで2車体1両という単位としている。そのため従来の重連を1両に置き換えて線路使用料を削減することが可能だというのがJR貨物の考え方で、この考え方を少なくともJR北海道、JR東日本、JR西日本、JR九州は認めている。
出典:鉄道ジャーナル 2018年10月号 No.624 61p
……JR四国と、もう1社名前のない会社がありますねぇ…。
ということで、線路使用料等の理由から「EH200がJR東海区間に入れない」というのは事実のようです。
回送も避けられている
交直流機関車のEH500形も、門司機関区から大宮への入場の際、最短ルートの東海道線ではなく、わざわざ北陸周りで運行されているようです。
ただEH500の場合は、一度だけ入線したことはあるようです。(2002年10月27日のEH500-901号車、広島車両所一般公開など)
その事実から、こちらのサイトでは「EH500が入れないのは車両限界が理由だから」としています。
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参考文献
鉄道ジャーナル『鉄道ジャーナル 2018年10月号 No.624』