「スーパービュー踊り子は訴えられたことがある」【電車の雑学研究所 #02】

「スーパービュー踊り子は訴えられたことがある」【電車の雑学研究所 #02】

以前からスタートしました「電車の雑学研究所」シリーズ。ここでは鉄道にまつわる様々な雑学・噂・都市伝説を検証して、皆さんに楽しんで頂くカテゴリーです。

そこそこ好評だった前回に続いて、第二回は「スーパービュー踊り子は訴えられたことがある」です。

(情報提供:たびびと様

 

通称SVO

251系スーパービュー踊り子(以下、SVO)とは、平成期に活躍したJR東日本の特急電車。東京から観光地の伊豆急下田駅までを結ぶ特急電車でした。現在はE261系の「サフィール踊り子」が後を継いでいます。

実はこのスーパービュー踊り子、なんと「座席が回転しない」「カーテンがない」など車両構造の欠陥を指摘されて訴えられたことがあるのです

 

 

訴えた人の主張

この方は、伊豆急下田9時55分発東京行き「スーパービュー踊り子2号」のグリーン車に運賃6,490円を払って、1号車1番D席に乗車されました。

しかし当日深夜まで目まいなどの不快感で眠れなかったことから、SVOは欠陥車両だとしてJR東日本を訴えに出たのです。その論旨は以下の通り。

・観光目的かつ3時間もの長距離を走るのに、座席が回転しない
・しかもハイデッカー構造なのでずっと後ろから見下される
・更に足を伸ばせなくて窮屈
・海岸地帯を走るのにカーテンがなく、直射日光を絶えず浴びる
・これらは利用者の不便や不愉快を顧みない誤った設計思想と独善性に基づくものであり、バブル経済がもたらした誤った豪華思考である
・以上のことから特別料金を支払う必要のあるグリーン車としては、運送契約上に大きな欠陥(債務不履行)があると考える
・この座席に座らされたことにより、帰宅後も深夜までめまいなどの不快感で眠れなかった
・よって、慰謝料50万円の損害賠償金を請求する

 

 

JR側の主張

これに対し、JR側はこのように反論します。

・この契約(電車に乗車)において負担するのは「旅客を安全に目的地まで輸送する債務」であり、「快適案旅行を実現すべき債務」ではない
・快適に旅行できるよう努力はしているが、あくまでサービスであり契約ではない
・グリーン車の本質は普通車両よりも座席空間を広く、座席材質のクオリティを高めて提供することにある。そしてSVOはそれを実現している
・直射日光を絶えず浴びるのは、構造上やむを得ない
・車掌に苦情を言ったので車掌は他グリーン車への移動を提案したにも関わらず、(喫煙車であった為)拒否している
・更に、1階にはグリーン車利用客なら誰でも利用可能なサロン室があった。にも関わらず移動しなかったのは主張する不快さに信用性がない

 

判決は…

これを受け、東京地方裁判所は以下のような判決を出しました。

・当該のグリーン席は、確かに一般的なグリーン席よりもやや快適性に劣るし、その特殊性をJR側は説明していない。
・しかし、グリーン席は相応の設備ではあるし、日照問題についてはある程度対策(リンテック社製のレフテルというスモークフィルム)が施工されている。
・窮屈さはJR側が主張するようにサロン室を使えることで回避可能
・見下されるのは座席の背もたれによって視線が遮られ回避出来ている
・つまり、今回においては運送契約上に大きな欠陥(債務不履行)はない。
・出来ればこの特殊性は今後JR側は説明していくのが望ましい。

と、JR東日本側の勝訴に終わりました。

 

 

とはいえ、JR側としては余計な訴訟は避けたいところ。

この訴訟を受けた結果なのか、後継のE261系「サフィール踊り子」にはハイデッカー構造が用いられていません。

 

 

 

関連リンク

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参考文献

東京地方裁判所判例『平成16年(ワ)第3474号 損害賠償請求事件』

 



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