「いい日旅立ち」という歌、ご存知でしょうか。特に鉄道ファンなら知っている方も少なくないと思います。
現在でもJR西日本の新幹線チャイムでおなじみで、かつて国鉄のキャンペーン「いい日旅立ち」のテーマソングとして1978年に登場、旅情的な歌詞とメロディが見事にマッチし、ヒットを飛ばしました。
誰が聞いても名曲であることに間違いはありませんが、実はこの題名は大人の事情が絡んだ歌名でした。
スポンサー名が入った曲
大人の事情……そう、それはお金絡み。
実は、スポンサーとして迎えた日本旅行と日立製作所の会社名が歌名に入っているのです!
いい日旅立ち
日本旅行
日立製作所
両者の企業名がさらっと入っているだと……!!!
1978年といえば、国鉄民営化の10年前。この頃の国鉄は本っ当にお金がなく、車両の新造すらままならない状態でした。あの珍車419系が生まれた時期でもあります。
電車ですらこんな状態なのにCMに割ける予算などなく、提示された予算では僅か週1本程度しか流せないという状態。週1本では、CMの認知度が全く上がりません。
この事に危機感を抱いた音楽プロデューサーの酒井政利さんが、急遽国鉄と懇意の仲である旅行会社の「日本旅行」、および車両製造を担当する「日立製作所」にスポンサードをお願いし、CMを週3-4本流せるような体制を作ったのです。
今もこうしていい日旅立ちが振り返られる際に「この2社の名前が入っている」と紹介されるあたり、このスポンサー効果は絶大なものだったといえるでしょう。(当時の2社がそこまで先を見越していたのかは知りませんが…)
使用している電車
・東海道、山陽、九州新幹線 N700系、700系(JR西日本所属車両)
・北陸新幹線 W7系
・トワイライトエクスプレス 24系客車
・JR西日本 旅行誘致キャンペーン「DISCOVER WEST」
関連リンク
参考文献
Muisicman「第140回 酒井 政利 氏 音楽プロデューサー」、2016年8月17日