北陸新幹線がいよいよ敦賀まで延伸され、関西まで後少しという段階に来ました。
京都~大阪間は既存の東海道線沿いではなく、南に迂回して松井山手近辺を経由する計画となっています。
松井山手~大阪間はJR学研都市線と並走することになるので、「松井山手~大阪間が並行在来線になるのでは?」と言われる方もちらほら。
あ~北陸新幹線が大阪まで伸びてくると学研都市線の松井山手-北新地が並行在来線になるのか…
— Osaka-Subway.com/鉄道プレス (@OsakaSubwaycom) November 10, 2023
私もジョークでこの話を投げてみたところ、思いの外反応があったので記事にしてみました。
(制度としての)並行在来線とは
新たに新幹線が開業することで、営業エリアが重複する在来線のこと。
特急などの運行によって利益が出ていた路線では新幹線化によって特急が廃止され、JRの負担が大きくなって赤字を出すことがあるので、沿線自治体の同意を経て在来線の経営を分離出来るシステムが採用されています。
エリアは?
まず、新幹線と並行する在来線はどこからどこまでか…という話になります。
起点は松井山手なのでそのまま松井山手として、大阪方はどこになるのかが一つのポイントですが、これはやはり北新地駅でしょうか。
元々新大阪駅は「立地上かなわなかった大阪駅の新幹線駅」という立ち位置で設定されていることや、北新地駅と大阪駅とは乗換の特例があることが理由です。
よってこの場合、学研都市線の松井山手~北新地間が対象になると思われます。
「並行在来線」になり代替対象となる?
…と、ここまで書いておいてなんですが、制度としての並行在来線にはならないものと思われます。
文字通り「並行する在来線」ではあります
この学研都市線の区間では、そもそも特急によって収益が維持されているわけではなく、通過する電車は207系・321系の通勤電車のみによって支えられていることが理由です。
新幹線と並行しているにも関わらず、(制度としての)並行在来線にならなかった路線はこれまでも数例存在します。
・川内~鹿児島中央(九州新幹線)
・熊本~八代(九州新幹線)
・高崎~横川(北陸新幹線)
・篠ノ井~長野(北陸新幹線)
いずれも輸送密度が高い路線が存置されています。
つまり、学研都市線が並行在来線になる可能性は殆ど無いものと考えられます。
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