日本経済新聞は、イギリスの投資ファンド「パリサー・キャピタル(Palliser Capital)」社から、京成電鉄が保有するオリエンタルランド社の保有株の売却を求められていると報じました。
オリエンタルランド社は、東京ディズニーランド・東京ディズニーリゾートの運営母体です
京成電鉄の現在の持ち分は22.15%ですが、これを15%未満に抑えるよう求められているようです。
同様の報道はロイター通信やブルームバーグなどの経済系メディアからも報じられています。
親会社の10倍
比較的有名ではありますが、京成電鉄は東京ディズニーランドの創業時から関わってきました。千葉県浦安沖を埋め立て、商業地・住宅地・大規模レジャー施設を誘致しようと1960年から動き出したところからスタートしています。
この関係もあって、京成電鉄は現在、東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドの株式の22.15%を保有する筆頭株主となっています。
オリエンタルランドの時価総額は8兆円近くあり、これは筆頭株主である京成電鉄の9500億円を10倍近く上回るねじれ状態となっています。
ファンド代表のジェームズ・スミス氏は「帳簿上の数字と時価の歪みを解消し、資本を効率化して京成電鉄の戦略的投資、および株主に還元すべきである」と述べているそうです。
同じような事例は2003年にラジオ局「ニッポン放送」が、フジテレビの株主であったケースがあります。
この報道を受け、10月18日の京成電鉄の株価は大きく上昇。17日の終値(5,104円)から19日に5,560円となるなど、市場は好反応を見せています。
パリサー・キャピタル社は今後、11月1日に京成電鉄の小林社長と面会する予定です。
関連リンク
参考文献
- Palliser「京成電鉄株式会社– 真の価値を解き放ち、成長に向け歩みだす機会」
- 日本経済新聞「英ファンド、京成電鉄にオリエンタルランド株の売却提案」
- ブルームバーグ「英パリサー、京成にオリランド保有株一部売却を提案-株価大幅高」
- ロイター通信「英ファンド、京成電鉄にOLC株の保有引き下げ提案」