企業において一定以上の株を保有する株主のことを大株主といいますが、驚くことにJR九州の株を200万株保有する大株主に何故か「ノルウェー政府」が居るようです。
「JR九州は株主に媚びすぎ」とツイートした後、どんな株主がいるのか見に行ったところ判明しました。
“GOVERNMENT OF NORWAY”
その根拠がこちら。JR九州の有価証券報告書にこのような記載があります。
氏名又は名称 GOVERNMENT OF NORWAY
住所 BANKPLASSEN 2,0107 OSLO 1 OSLO 0107 NO出典:九州旅客鉄道「四半期報告書」
この住所をGoogleマップで調べてみると…
確かに、ノルウェー国の中央銀行である「ノルウェー銀行(Borges Bank)」がヒットしました。
何故ノルウェーがJR九州の株式を保有しているのでしょうか。
何目的で?
探ってみると、どうもこれはノルウェー政府による年金を殖やす為の投資なのだそう。
元々は北海で発見された油田で得た石油・ガスの収入を元手に、国民の年金を増やすためにスタートしました。このあたりは日本のGPIFと同じですね。
日本でもノルウェーと同じように、年金を殖やす為「GPIF(Government Pension Investment Fund、年金積立金管理運用独立行政法人)」という組織が世界中の市場で投資活動を行っています。
2018年時点で金額がノルウェーを凌いでおり、実質的に世界最大の機関投資家として活動しています。
政府直轄だけあってその資金源は162兆円という途方もない金額で、世界最大規模の投資ファンドとして動いています。
投資先は…
投資先としてはアメリカや中国など世界中を対象としており、勿論日本へも積極的に出資しています。
代表的な企業としてはトヨタ自動車やソニー、キーエンスに三菱UFJ…と日本国内における大手企業の株式を保有・運用しているのが特徴です。
鉄道では、今回のJR九州の他にもJR東海・JR東日本・JR西日本などJR各社の他、南海電鉄・京成電鉄など私鉄へも投資しています。
【鉄道関連の投資先】
・日本(保有割合)
JR九州(1.81%)
JR東海(1.94%)
JR東日本(1.54%)
JR西日本(1.51%)
南海電鉄(1.39)
京成電鉄(2.62)
小田急電鉄(1.33)
東武鉄道(1.52%)
山陽電気鉄道(0.5%)
・インド
インド鉄道金融公社
・中国
広深鉄路、 中国铁路通信信号集团(CRSC)
政府系の投資ファンドだけあって「あまり冒険はせずゆっくり着実に資産を増やしていく…」という目的ならば、日本の鉄道企業は投資先として魅力的に映るのかもしれませんね。
関連リンク
参考文献
NBIM「Investments | Norges Bank Investment Management」