神戸にある川崎重工…じゃない、川崎車両の本社には、日本の電車特急を語る上で欠かせない名車「151系」が保存されています。
日本で完璧に1両まるまる保存されている151系は、この神戸の個体だけになります。
京都鉄道博物館にも保存されていますが、あちらは顔だけを切り取ったモックアップになります。
川崎車両にあるこの車両はトップナンバーが保存されており、前々から一度見たいなと考えていました。
今回、ようやく神戸へ行く時間を作って行ってきました。
2つの名車が勢ぞろい
冒頭でも書いたように、151系は神戸の和田岬駅近くにある川崎車両本社にて保存されています。
設置場所は正門横で立派に屋根もついています。流石カワサキ。
(経年劣化対策としては完璧ですが)撮影する側としては残念ながら北向きなので、終日順光にはなりません。
また、横には新幹線のこだまである0系も設置されており、2代連続のこだま号が横並びになっています。
151系
まずは今回の主目的である151系から見ていきましょう
流石にクラシックさは感じますが、精悍なスタイルですね。
485系でおなじみのボンネット形特急スタイルですが、始祖はこの151系から始まりました
ヘッドマークは往年の「こだま」が取り付けられています。
「こだま」号は、日本国鉄で初めての電車特急です。
当時は機関車牽引の特急電車が主流で、電車は「音がうるさい・乗り心地も良くない・長距離に向かない」という認識がありました。
しかしパワーの強い機関車は重くなりがちで線路の傷みも激しくなることから、負担を分散させることができる電車形特急として151系が開発されました。
1958年11月1日より「こだま」として運行を開始した151系は大阪~東京間を6時間半で結び、ビジネス特急としての地位を確立しました。これは現在の東海道新幹線「こだま」号にも通じるスタイルです。
この車両は「クハ151-1」…いわゆるトップナンバーです。
つまり電車特急「こだま」が初めて運用を開始した際に、この車両は実際に運用についていたという非常にレア度が高い車両なんです。
先頭部分だけを拡大。比較的綺麗な状態で保存されていることに驚きました。
このボンネットスタイルが485系にも受け継がれ、全国へ波及していくことになります。
151系は登場当初、20系という形式名で登場しました。
1959年の車両称号規程改正(車番の名付け方のルール変更)により、新たに151系という名前に変更されました。
この川崎車両で保存されている車両は、まだ20系だった時代のクハ26001のものを復元したもの。
つまり正式には「20系が保存されている」ことになるのですが、20系としては僅か1年程度しかなかったことや、「151系」としての名称が圧倒的に有名であることから、記事内でも151系として紹介しています。
0系とセットで。
こうして前部を圧縮して撮影すると、0系はどことなく151系を受け継いでいる要素もありますね。
0系
続いて0系も見ていきましょう。
0系は新幹線の初代車両ということもあり、比較的日本中で保存されているのであまり珍しい存在ではありません。
綺麗な151系と異なり塗装剥げやサビなど、だいぶ傷みが出ていますね…。
元JR西日本の所有車のようで、「21-7008」と書かれています。
この車両は1984年に製造され2008年12月に引退した車両で、2009年3月に川崎重工へやってきました。
すぐ横を運河が流れていて水や風の影響が強いからなのか、さっきも書いたように劣化が進んでいます…。
保存場所
場所は川崎車両の神戸本社ビル。
鉄道では少し距離があり、最も近いのはおそらく神戸市営地下鉄東西線の苅藻駅と思われます。