日本の鉄道の始祖、偉大な「1号機関車」を見てきました

日本の鉄道の始祖、偉大な「1号機関車」を見てきました

1872年9月12日(旧暦、新暦では10月14日)、新橋~横浜間に鉄道が敷設され、今年で日本に鉄道が出来て150年になります。

東日本地域以外ではイマイチ盛り上がりに欠けていますが、そんな記念の節目に、当時走っていた1号機関車を見に埼玉鉄道博物館まで行ってきました。

英国からはるばると

歌川芳年・年延「高縄鉄道之図」

1号機関車はイギリスのバルカン・ファウンドリーで1871年に製造された機関車です。日本の文明開化を支えるべく、はるばる海を渡ってやってきました。

全長7.4mのこの小さな機関車は全10両が発注され、その内この当該機が日本に最も早く到着したことから「1号機関車」と呼ばれるようになりました。

日本の全ての鉄道は、ここから始まったのです。

日本初の鉄道区間である新橋~横浜間で8年利用された後、1880年からは神戸へと転用されています。

1906年、鉄道院の車両称号規定により「150形」に改番。その後は1911年に長崎の島原鉄道の開業用として譲渡され、再び「1」を名乗りました。

ちなみに、どういう付番方法で150形になったのかは不明です。
タンク機関車が1~4999の間のナンバリングに振られたことは確かなようですが、なぜ1号機関車が中途半端な150になったのかは資料がありません。

参考ツイート

 

この貴重な車両は、保存運動を受けて1930年に鉄道省へと戻され、1936年からは万世橋にあった交通博物館にて展示・保存を開始。その後は2006年の閉館まで一貫してこの地で保存されてきました。

2007年からは、埼玉に開業した鉄道博物館へ移設されて現在に至っています。

 

日本の鉄道史に残る車両達

1号機関車の導入から50年が経過した1912年。日本初のオリジナル設計・本格的量産機関車「8620形」が製造されました。

戦後の1948年にはC62形機関車が登場。2号機には側面に燕エンブレムが取り付けられた有名な機関車です。

1958年、初の電車特急「こだま」として誕生した151系が、および1964年には交直流対応の481系が登場。

この名車の登場により「国鉄特急色」と呼ばれるクリーム4号・赤2号の塗り分けと、ボンネット形スタイルの特急電車が全国に広まっていきます。

1964年には世界初の高速鉄道「東海道新幹線」が開通。0系はその象徴といえる電車になりました

1992年、民営化後初となる300系新幹線が登場。従来の速度を大幅に上回る270km/h運転を実現しました。

1997年には、JR西日本から300km/hを出す500系が登場。

初の300の大台に乗ったことや、非常に鋭角的なデザインは大きな話題を呼び、長らく「新幹線」のイメージリーダーとして君臨しました。

2011年、東北新幹線にて320km/h運転を実現するE5系が登場。

現在に至るまで、秋田新幹線用E6系と共に日本最速の座を維持しています。

 

関連リンク

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参考文献

交友社「1号機関車から超特急電車まで」西尾源太郎, 広田尚敬、1964年

地上にある銀河鉄道を探す旅「機関車の構造及理論:上巻(その31)機関車の形式称号(1)

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