【特集】北陸新幹線延伸記念!北陸特急を振り返る

【特集】北陸新幹線延伸記念!北陸特急を振り返る

ついに北陸新幹線が敦賀までやってきますね!

大阪在住としては早く新大阪まで伸びて欲しいところですが、敦賀まで延伸するだけでも相当の恩恵があり、ちょっとワクワクしています。

現在の金沢まででは時短効果が殆どありませんでしたが、敦賀~富山が新幹線になることで、大阪~富山間がサンダーバード時代の3時間半から2時間半へ大幅に短縮されます。
また、意外にも大阪~長野方面へのアクセス性も向上します。

前置きが長くなりましたが、今日は新幹線開業で引退する北陸の特急を、写真で振り返ります。

 

特急雷鳥

北陸特急といえばやはり雷鳥でしょう。

1964年に北陸本線の富山電化と同時に運転開始。大阪~富山を走り続けた名門の特急電車です。

485系のボンネット車両で運行されていました。

こちらは冬の敦賀駅に到着する485系(クロ481形2000番台)雷鳥。

かつて「スーパー雷鳥」用に改造され、2001年にしらさぎへ転出した後、2003年に再び雷鳥用に帰ってきた「パノクロ」と呼ばれる車両です。

誕生時から485系が使われた雷鳥の中では僅か8年だけ存在した異端な顔つきですが、私はこの車両が最もお気に入りでよく撮影していました。

クロ481-2000の車内。綺麗にはしていますが、こうしてみるとやはり国鉄型という感じですね…笑

そして、こちらは「よくある方の」485系顔。ヘッドマークがいい味出してますね。

側面の様子。今や殆ど見なくなった号車・禁煙表示のサボや、白い方向幕かつ国鉄フォントで書かれた「L特急雷鳥」の文字が、まだ見られた時代でした。

交直流区間を走行するため、パンタグラフ周りが仰々しい設備になっています。

雷鳥の数十分後には、寝台特急「日本海」がやってきていました。

「6」の番線表記も昔ながらの国鉄スタイルで、この写真は本当に平成なのかと思える雰囲気ですね…

 

特急「サンダーバード」

雷鳥の後を受け継ぎ、JR形の最新特急として登場したのが「サンダーバード」です。

雷鳥をそのまま直訳したかのようなネーミングですが、当時の文献にJRから寄せられた文によると

アメリカインディアンの伝説に登場する想像上の鳥で、「はばたく音が雷鳴となり、口から稲妻を発する巨大な鳥」であることから、次世代特急である新型車両のイメージにふさわしいと考えました。
また、雷鳥を英語に直訳するとサンダーバードとなることからも、これまで親しまれてきた列車名への愛着も兼ね備えていると考えます。

出典:日本鉄道運転協会「運転協会誌 新技術特集37(5)(431)」、1995年5月

という説明を行っています。やはり雷鳥の直訳も意識しているのですね。

サンダーバードは、「スーパー雷鳥(サンダーバード)」と括弧書きで1994年に登場。その後前置詞が取れ、「サンダーバード」というシンプルな名称となりました。

この時点で北陸特急は

・「雷鳥」(国鉄色485系を用いた緩行型特急)
・「スーパー雷鳥」(リニューアル塗装485系でパノラマ車両がついている特急)
・「サンダーバード」(681系を用いた速達型特急)

の3本立てとなっていました。

基本的にはサンダーバードが最も早く、雷鳥は小さな駅へも停車して遅く、スーパー雷鳥はその中間という立ち位置だったように思います。

681系「サンダーバード」では、印象的な流線型車両の他に貫通型車両も作られました。

2008年から、485系の置き換え用に製造されたのが683系4000番台(通称ヨンダバ)です。

コンセントの設置やトイレの大型化など、時代にそった設備のグレードアップが行われています。

先程の貫通型車両が思いの外使い勝手が良かったのか、この4000番台では全ての車両が貫通型車両となっています。

流線型車両の方が見栄えはいいですが、実を取った形ですね。

特急「サンダーバード」の富山行き。かつては非常にありふれた表示でしたが、今では絶対に見ることが出来ません…。

富山駅に到着するサンダーバード。「能登・はくたか・しらさぎ…」と今はもう無くなった特急名がずらっと並んだ乗車表示が懐かしいですね。

683系の車内の様子。485系とはやはりかなり異なり近代的になっていますね。

サンダーバードの車内案内表示。「小松、加賀温泉、芦原温泉…」と当たり前のように出ていたこの表示も、まもなく見納めです。

 

特急「しらさぎ」

名古屋・米原から北陸を結んでいたのが特急「しらさぎ」です。こちらも雷鳥と同じく、1964年から運転を開始した名門の特急です。

サンダーバードの影に隠れがちですが、新幹線に接続する米原や名古屋方面からの北陸輸送を担っていた特急です。

しらさぎ用車両は「サンダーバード」と異なり、JR西日本の青JR東海のオレンジ2本ラインとなっています。

米原から名古屋へはJR東海区間となる為、その識別の意味として入れられているようです。

2015年までは「しらさぎ」用に製造された新しい683系2000番台車両(上写真)が用いられていましたが、2015年の北陸新幹線金沢開業により特急「くろしお」や「こうのとり」用に転出して289系となりました。

 

代わりにやってきたのは、なんと一世代古い681系でした。現在も「しらさぎ」の殆どが681系で運行されています…

ど う し て 

 

683系(しらさぎ車両)と富山の代表的な建物「インテック」とのコラボ。

現在は金沢で折り返していますが、かつては当たり前のように富山までやってきていました。

在りし日の富山駅改札から見るしらさぎ。手前のホームは1番線で、ここから降りてくる人を出迎えの人見ていました。

しらさぎでサンダーバードを代走

2015年は北陸新幹線が長野~金沢まで延伸開業しました。

この時点では在来線の転換が富山~金沢間のみだったので、サンダーバード・しらさぎは富山から金沢・和倉温泉まで短縮されたに過ぎませんでした。

ダイヤ改正による運用上の都合なのかはわかりませんが、この日は681系しらさぎ色が大阪駅まで「サンダーバード」の代走としてやってきていました。

しらさぎを示す青+オレンジのラインカラーなのに、方向幕が「サンダーバード」になっているのは妙な違和感を感じますね。

 

その他特急

今回の廃止区間とは異なりますが、「北陸特急」にはサンダーバードやしらさぎの他…

金沢~越後湯沢間を結んでいた特急「はくたか」という車両も存在しました。

在来線国内最速の160km/hで越後をかっ飛ばし、電車でGO!2で出てきたこともあって、鉄道ファンの知名度が非常に高かった車両です。高速進行!

JR西日本の681系と同じ車体ですが、北越急行という別会社が保有していた個基あり赤色に塗られていました。

こちらは金沢~新潟間を結んでいた特急「北越」です。

JR東日本所属の485系が一方的に乗り入れていましたが、同じく東日本区間へ一方的に乗り入れているJR西日本の「はくたか」車両と、おそらく使用料を相殺していたものとみられます。

上記写真の一般的な485系の他、上沼垂色に塗られリニューアル工事が行われた485系3000番台も用いられていました。

ちなみにこのリニューアル編成、ヘッドマーク部分が動きます。

 

ローカル輸送

北陸本線のローカル輸送といえば、やはりこの「食パン」こと419系でしょう。

特に中間だった車両へ運転台を強引にひっつけたというその顔つきは、まさに強烈の一言ですね。

419系は寝台急行用の583系を近郊型電車に改造した形式です。

中間車両だけみると全くわかりませんが、元々運転台があった車両を見ると…確かに583系そのものですね。

 

583系を無理に近郊型車両へ改造した車両ということもあり通勤需要には全く向かず、つり革を網棚につける投げやりっぷりなど、かなり使い勝手の悪い電車だったと聞きます。

一方、急行用車両の設備を持つので、鉄道趣味車や18切符ユーザーには非常に好評な車両でした。

そもそもこの419系は国鉄末期の壊滅的な財政状況からなんとか捻り出した魔改造電車なので、数年だけの短期的な使用を前提に作られたそうですが、結局は30年近くも使うことになってしまいました。

 

こちらは急行用電車の457系。大きなヘッドライトが特徴です。

急行電車用として落成したので先程の419系よりはかなりマシですが、それでもデッキ付きの片開きドアの車両なので通勤時の輸送にはあまり向いていなかったそうです。

また、復刻塗装として北陸色が纏われた時代もありました。

こちらは北陸本線で最も普遍的なローカル電車だった413系です。

475系と似ていますが、ドアが両開きとなりデッキが廃止されたので最も通勤需要に向いた電車でした。

現在ではあいの風とやま鉄道に譲渡され、イベント列車「とやま絵巻」として1編成のみが残存しています。

 

一応「北陸」なものの…

なつかしの北陸特急写真、いかがでしたでしょうか。

大阪駅11番線からはご覧のように「サンダーバード」「雷鳥」が、富山・金沢・和倉温泉へと30分おきに発車していた時代もありましたが、今や富山はおろか金沢行きですら風前の灯です。

北陸特急は、ギリギリまだ北陸といえる敦賀まで短縮され、その先は新幹線W7系が担うことになります。

新幹線の開業は喜ばしいですが、一方で鉄道趣味者としては伝統の北陸特急が潰えてしまうことにもなり、ちょっぴり複雑な心境ではないでしょうか。

私は親の実家が富山にあったこともあって定期的に北陸特急に乗って富山を訪れていたので、結構寂しい気持ちが強くなっています…

「サンダーバード」「しらさぎ」が敦賀行きになるまであと半年。出来るだけ時間を作って記録していきたいと思います。

 

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