【秘境駅探訪】関西線「月ケ瀬口駅」に行ってきた

【秘境駅探訪】関西線「月ケ瀬口駅」に行ってきた

関西本線の月ヶ瀬口駅は、奈良……とおもいきや、京都府最東端の駅です。

京都府唯一の村である南山城村に位置していて、元々駅でなかったところに駅を作ったからか、なかなかアクロバティックな形状をしています。

周囲に家もあり、1日の利用者数は115名(2019年)なので厳密には秘境駅というほどではありませんが、その雰囲気はなかなか秘境駅っぽさが出ています。

そんな月ケ瀬口へ、伊賀鉄道の帰り際にちょこっと立ち寄ってきました。

 

急傾斜地の上に…

月ケ瀬口駅は京都府所在と書きましたが、「月ケ瀬」という集落自体は奈良市に所在する地名です。

月ケ瀬の梅林」で有名な月ヶ瀬村という単独の村でしたが、2006年に奈良市へ合併・編入されました。

元々は月瀬という地名でしたが、この他「月ヶ瀬」「月ノ瀬」と複数の呼称があったことから、1968年に改名・統一しています。
月ケ瀬口駅が出来たのは1951年なので、17年で改称されたことになります。

駅目の「口」というのは玄関口・入口の意味で、ここが月ケ瀬集落までアクセスできる最も近い駅という意味になります。

とはいっても月ヶ瀬の集落までは駅から8km近く、徒歩で1時間とかなり距離があります。

ホームまではかなり急勾配の道を登っていく必要があります…。ちょっときつい…

月ケ瀬口駅前にはバス停がありましたが…

残念ながら時刻表は全て外されていて、既に運行を終了しているようです。

駅前には山仲清五郎という方の記念碑が建立しています。

昭和28年設置のこの碑はだいぶ朽ちて読みづらいですが、この地域の高山村という村落の村長であったこと、そして月ケ瀬口駅設置の為に大河原村・月ヶ瀬村と請願活動を行った方…というのが辛うじて読み取れました。

冒頭でも書きましたが、駅は急傾斜地の上に建てられています。

斜面の上に基礎が伸びている様子が可視化されててちょっと不安になる構造ですね…

駅舎入口。無人駅かと思いきや、委託の係員さんが常駐されていてびっくり!

7時~15時まではいらっしゃるそうです。

駅からホームを覗くと……おお!大きな2面2線ホームが見られますね!ちょっとワクワクしてきました。

早速入場券を買って入ってみます。

 

ホームへ

駅や路線の規模の割にホームは非常に広大で、7両編成の列車が入線可能な構造になっています。

関西本線は、1970年代までは大阪⇔名古屋間の輸送で賑わったそうですが、往時の交換駅として活躍した名残なのでしょうか。

しかしながら、現在の関西本線では最長でも2両編成のキハ120形しかみられないことから、先へは進入禁止となっています。

停止位置目標。4連と6連、全列車が見られます。

2006年までは急行かすがという列車が存在し、写真のように多客時に4両編成での運行もみられました。

急行なので基本的には月ケ瀬口駅を通過するのですが、名所である梅林の時期には臨時停車したこともあったのだそうです。

山間に囲まれた、自然豊かなホームと共に一枚。

……ん?

駅名標……が新しい!?

JR西日本の駅名標は英字表記にHelveticaとFrutigerがあり、古いタイプはHelveticaなのですが、月ケ瀬口駅は驚くことに新しいタイプのFrutigerが採用されています。

明らか利用者数が少ないこの駅でも変えるのですね…やるなJR…

月ヶ瀬は梅林が有名で、駅ホーム上にも見事なイラストの観光看板が設置されていました。

18きっぷで関西本線を使われる方には見たことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか

高さがかなりあることから、ホームからは駅周辺が一望できます。 

ホーム反対側(笠置側)の様子。非電化線なので架線がなく、すっきりとした線路に何もない背景がローカル線感を醸し出しています。

 

余談ですが、月ヶ瀬村には村八分で女子中学生を悲劇的な結末に追いやった事件が存在しています(詳しくはWikipediaで

 

関連リンク

【秘境駅探訪】山形県の秘境駅『峠駅』

【秘境駅探訪】千葉県の秘境駅『久我原駅』

参考文献

NIKKEI STYLE「甲子園口・鞍馬口… 関西の駅名なぜ「口」ばっかり

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