2022年9月26日13時35分頃、森之宮2丁目1-133で不発弾が発見されました。
この地は現在大阪公立大学のキャンパスを建設中で、建設工事の過程で見つかったようです。
発見地:大阪市城東区森之宮2丁目1番133号
不発弾概要:米国製2,000ポンド普通爆弾(1トン爆弾)1発(長さ1.8メートル、直径0.6メートル)、弾頭部分に信管が残っている状態
陸上自衛隊が、爆弾全体を防爆マットで保護し、信管に保護キャップをかぶせる措置等を行っています
不発弾が見つかるとその周辺が通行止めとなりますが、これは鉄道でも例外ではありません。
【追記】10月3日に大阪市から発表がありましたが、現在も大阪環状線が運休になるかは未定となっています。
過去を振り返ると…
奇しくも今年、吹田市で不発弾が発見されましたが、その時は現場から半径300mが対象となりました。
マップを見るとわかるように、300m区間内にもろ被りしていたJR線は全て運休となり、サンダーバードはなんと京都で折り返す珍運用に入るなど、鉄道ファンとしても非常に興味深い事態となりました。
一方で、比較的近接しながらも300mの範囲外である御堂筋線は通常通りの運行でした。
以上の前例から今回の不発弾処理では、大阪環状線、および大阪城公園駅が3-400mの距離となることから運休措置が採られる可能性があります。
また大阪メトロの森之宮検車場も範囲になることから、入出庫列車を中心に一部で影響が出る可能性もあります。
不発弾のメッカ
実は、この地域はかつて「大阪砲兵工廠」という爆弾や兵器などを作っていた工場跡地で、1945年8月14日の空襲では当時のアメリカ軍からもかなり積極的に狙われました。
それだけに不発弾も多数存在して再開発がなかなか進まず、戦後は鉄くずを求めて在日朝鮮人が不法侵入するなど荒れた地域となっていました。
それでも都心部の広大な地域を有効活用しようと、1960年に国鉄森ノ宮派出所(翌年電車区に)、1967年に大阪市交通局森之宮検車場が開業していますが、2010年8月に大阪市交通局森之宮検車場の検車場増築工事で不発弾が発見されるなど、現代に至っても度々不発弾撤去騒動が発生しています。
これ以外にも、大阪ビジネスパークや大阪城公園の一部、大阪城ホールが大阪砲兵工廠の跡地として利用されるなど、非常に広大な土地でした。
ちなみにこの2010年9月10日の不発弾処理時は、大阪環状線天王寺~京橋間が8時半~12時頃まで運休しました。
【過去の運休内容】
・環状線は天王寺行きと京橋行きとで往復運転
・大和路快速は全てJR難波行きに変更
・関空/紀州路快速は天王寺行きに変更
・特急はるか・くろしお等は通常運行
※参考URL(https://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1174963_799.html)、リンク切れ
今回も同様の措置が採られるのでしょうか…。
過去の不発弾撤去
・2003年10月13日…天王寺区上汐3丁目3番で1t爆弾の不発弾処理(発見は9月9日)
谷町線・千日前線は谷町九丁目を通過。
また近鉄も上本町駅を閉鎖し、難波線は通過措置。大阪線は鶴橋折り返しに
・2005年5月3日…中央区南本町2丁目で1t爆弾の不発弾処理(発見は4月2日)
御堂筋線は本町を通過、中央線は阿波座行きと森ノ宮行きに変更、大阪市バスも運休
阪神高速16号線船場付近、中央大通を通行止め
・2010年9月26日…城東区森之宮で不発弾処理(発見は8月21日)
大阪環状線を4時間運休。地下鉄は特に影響なし?
・2015年5月9日…浪速区日本橋西1丁目で不発弾処理(発見は4月)
南海電鉄が7時~運休。本線は住ノ江で、高野線は堺東で折り返し。ラピート・サザンは運休
<Osaka-Subway.comのリンク>
・2022年7月24日…吹田市南吹田3丁目22-20で不発弾処理(発見は4月27日)
JR線を運休。北陸方面から来る特急サンダーバードは京都止まりに
関連リンク
参考文献
大阪市城東区「不発弾の発見について」、2022年9月26日
吹田市「南吹田3丁目で発見された不発弾について」、2022年7月24日
日本経済新聞「大阪・森之宮で不発弾発見 近く除去作業」、2010年8月22日