瀬戸電と駅がまるごと!「瀬戸蔵ミュージアム」に行ってきました

瀬戸電と駅がまるごと!「瀬戸蔵ミュージアム」に行ってきました

瀬戸電というワードは大阪民にはちょっと馴染みが薄いですが、現在の名鉄瀬戸線のことを指します。

元々瀬戸電気鉄道という別の会社で、名鉄に吸収合併されてからも他の名鉄線とは異なり独立した存在であることから、現在でも「瀬戸電」の名前が通用するそうです。

参考までに、現在でも瀬戸線のファンサイトが「瀬戸電」の名称を用いています。

 

この瀬戸電の終点<尾張瀬戸駅>の近くにある「瀬戸蔵ミュージアム」という陶芸作品の博物館に、なんと瀬戸電と駅がまるごと保存されている…!という話を聞いたので、行ってきました。

 

何故陶芸品と電車?

瀬戸物」という言葉をご存知でしょうか。

陶磁器のことを指すのですが、この地域である瀬戸焼から転じたものです。

陶磁器はまとめて「瀬戸物」と呼ばれるほど普遍的であったこの地域の名産で、近代に至っても非常な隆盛を誇っていました。

ちなみにこれは東日本だけのケースであり、西日本では唐津物と言われました。

 

そんな瀬戸焼を運ぶため、この地域の事業家による出資で作られたのが瀬戸電です。

つまり、近代における瀬戸焼と瀬戸電は切っても切れない関係

だからこそ、一見関係のない瀬戸蔵ミュージアムに保存されているのだそうです。

 

いきなり電車がお出迎え

入口をくぐると、いきなり電車がお出迎え。

この車両はモ750形の754号車という形式で、1978年の瀬戸線栄町乗り入れまで活躍した電車です。

その後は岐阜県の谷汲線と呼ばれるローカル線で余生を過ごした後、この瀬戸蔵ミュージアムへとやってきました。

車内に入ってみましょう。モ750形は1928年に日本車輌で製造された電車です。

全体的に同年代である阪堺電気軌道のモ161形と同じ感じだな…という感想。

板張りの床にこういう形状の座席、木製の鎧戸があるところとかね。

車内では当時のモーター音や放送が流れており、本当に瀬戸電に乗っているかのような雰囲気を楽しむことが出来ます。

運転台の様子。ここもよく似ています。

ちなみにモ750形の搬入にあたっては、空からクレーンで入れられてその後に建物の屋根を覆ったそう。

すごい気合の入れようです…

 

駅も!

電車の左側には…

なんと尾張瀬戸駅の駅舎まで、まるまる残っていました!!

内装も勿論まるまるそのままです…。ここは瀬戸焼博物館ならぬ瀬戸電博物館ですか?

駅舎は1925年に建設された2代目の駅だそう。2001年に3代目駅舎へ後を譲ってここへやってきたようです。

残念ながらこの駅は移設されたものではなくて、当時の駅舎を再現したものということです。

手動でくるくるさせる発車標が設置されていました。これは往時のものでしょう

出札口部分には当時使われていたであろう旅客運賃表と名鉄の制服が展示されていました。

尾張瀬戸」の駅名標。

こちらは現在でも同じフォーマットですが、駅番号の有無が現在と異なります。

 

 

ちなみに、当然ながら瀬戸焼の博物館なので陶器の展示もあったのですが、興味がなかったので今回は完全に瀬戸電だけにフォーカスして殆ど見ずに帰りました(小声)

時間がなかったこともありますが、次回訪れることがあったらじっくりとこの辺も見て回りたいですね。

 

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