名古屋鉄道(名鉄)の知立駅周辺の4.9km区間において、高架化事業が現在進行中です。
現在は高架化工事の最中で、事業完了予定は2023年度(令和5年度)を予定していましたが、物価上昇や工事用地が狭く工事が難航していることから、2028年度(令和10年度)完了に延期されています。
今回の高架化工事で、知立市の玄関口である知立駅が高架駅へ切り替わり、隣駅の三河知立駅を移設、10箇所の踏切が除却される予定です。
知立駅
新しい知立駅は、2階・3階にホームが分けられた要塞駅(複層高架駅)となります。名鉄では太田川駅に次いで2例目となるでしょうか。
3階に三河線が、2階に名古屋本線が立地し、名古屋本線においては悲願の2面4線ホームとなります。
現在の知立駅は1面2線のホーム。2路線が合流し特急も停車するなど主要駅であるにも関わらず、神宮前から緩急接続が出来る駅が新安城までなく、運行上のボトルネックとなっていました。
また、知立市としても中心駅ながら駅によって街が分断されていたことが懸念材料となっており、今回の高架化はそれらを一気に解決できる一大事業となっています。
現在の知立駅
2022年時点での知立駅周辺。
元々ホームが広く「大要塞」とも形容される知立駅ですが、高架化工事で上にも伸び、更に要塞ぶりが増しています。
知立駅には名古屋本線の他、三河線も乗り入れることから3面5線のホームとなっています。
その関係で、踏切が一度降りるなかなかこれが開かない。
データイムにも関わらず10分も開かない時間がありました。これは確かに高架化工事が必要ですね…
三河知立駅
三河知立駅は元々知立駅として開業した駅で、高架化エリアから外れて新しく平面駅で移転することになります。
かつて主要駅であった名残から2面3線の比較的大きなホームを持つ駅ですが、移転後は2面2線の相対式ホームとなります。
歴史的経緯から駅間距離が700mとかなり近く、知立駅と駅勢圏が被ってしまっていたことや、このままだと実態と合わない利用状況のまま丸々高架化する必要があったから、高架化工事にあわせて知立市 山町茶碓山(竜北中学校近く)へ移転することになりました。
高架化区間概要
・場所:名古屋鉄道名古屋本線:刈谷市一ツ木町~知立市内幸町
名古屋鉄道三河線(豊田方面):知立市池端~牛田町
名古屋鉄道三河線(碧南方面):知立市池端~東上重原
・対象駅 知立駅(高架化)・三河知立駅(平面での移転)
・事業延長:約4.98km(名古屋本線1.56km、三河線豊田方1.88km、碧南方1.54km)
・除却踏切:10箇所
・事業費用:499→610→792億円
(うち、国:260億円以上・愛知県:155億円以上、知立市:約125億円、名古屋鉄道:95億円)
・高さ:17.7m
・完成予定:2023年度→2028年度(物価上昇等による)