広島電鉄などが主導するPASPY運営協議会は、2025年3月末までに交通系ICカード「PASPY」をサービス終了すると発表しました。
PASPYの終了は昨年5月に当サイトでも記事にしていましたが、予告通りの結果となりました。
廃止にする理由としては、機器の老朽化に伴う更新費用が高くつくことでシステムの維持が困難になっていることを挙げています。
PAPSYは2008年1月に登場。広島圏の交通事業者である広島電鉄、広島バス、広島交通、中国バス、広島高速交通(アストラムライン)などが参加。
この当時既にICOCA・PiTaPa・Suicaなどがサービスを開始しており、2007年には広島地区のJRへもICOCAの導入が始まっていましたが、それらに加入することはなく独自規格としてスタートしていました。
今後は?
今回の廃止を受け、メイン事業者の1つであったアストラムラインはICOCAへの導入切替を発表しています。
ただ、その他の事業者である広島バスや広島交通などの対応はまだ未定です。
最大手であった広島電鉄では、NECやレシップと共同でスマートフォンを使ったQRコード決済、および新しい交通系ICカードのを用いたABT方式の乗車券システムを、2024年10月サービス開始を目標に開発するとしています。
ABT方式とは
認証媒体となるQRコードやICカードの固有のID番号と紐づいた利用者の情報をクラウドサーバ側で管理する方式です。ABT方式の新乗車券システムでは、チャージ残高や定期券などの利用者の情報をクラウドサーバ側で保持・参照・更新し、機器側では高速な計算処理を行わないため、システム全体の低廉化を図ることが可能です。また、新乗車券システムではQRコードやICカードに加え今後多様な認証媒体にも対応することが可能になるため、他の交通手段や街中・旅先などでのさまざまなサービスとの連携も期待できます。
出典:広島電鉄「スマートフォンに表示させたQRコードや新たな交通系ICカードを認証媒体とする新乗車券システムの開発に着手します」
関連リンク
参考文献
PASPY「交通系ICカードPASPYのサービス終了について」