先日、2022年2月20日に起きた広島電鉄の事故。
福島町~西広島間にある新己斐橋西詰交差点を走行中の5200形「グリーンムーバーAPEX」が、マツダ製の自動車CX-5と衝突して脱線し、更に4時間に渡って不通となった事故ですが、
本日の中国運輸局の発表で、なんと原因が電車運転士側の信号無視であることが判明しました。
すなわち車がAPEXにぶつかったのではなく、APEXが車にぶつかったのです。
まさかの原因
中国運輸局の発表ではこうあります。
事故を発生させた運転士は、道路交通法第7条に基づき、走行時には交通信号機の表示する信号に従うよう指導されていたにもかかわらず、前方の交通信号機が停止を表示していた交差点に進入したことを確認した。
また、当該運転士に対して聴き取りが行えない状況にあることから、貴社は交通信号機の表示に従わなかった理由等について十分に究明できていないことを確認した。
さらに、当該運転士に対する添乗・立哨指導の結果について、添乗・立哨指導記録書に喚呼不良の指摘が繰り返し記載されているにもかかわらず、前回の同記録書をもとに指導をする体制となっていないことから、指摘事項が改善されないままとなっており、安全管理規程第31条に基づく運転士の資質の状況の管理ができていないことを確認した。出典:国土交通省中国運輸局「広島電鉄株式会社に対する改善指示について(概要)」
簡単にいうと
・今回の事故は赤信号を無視したことが原因
・事故を起こした運転士に対し、何らかの事由で無視した理由を会社側が聞き取れていない
・当該運転士は喚呼(かんこ)をしないと記載されてるのにその指導ができていない
ということです。
未だ復帰できず
脱線破損した5200形「APEX」は5206号車が当該列車で、昨年作られたばかりの新車です。
事故から1ヶ月が経過した現在も運用復帰は出来ていないようで、相当深刻なダメージであったことが伺えます…。
国土交通省中国運輸局では、4月25日までに再発防止改善策を報告するよう広島電鉄へ求めており、改善されない場合には事業改善命令を出すとしています。
関連リンク
参考文献
国土交通省中国運輸局「広島電鉄株式会社に対する改善指示について(概要)」
読売新聞オンライン「路面電車が交差点で車と衝突、先頭車両が脱線…4時間半運転見合わせ」