2021年12月28日20時35分頃、山陽本線瀬野→八本松間で23両編成の貨物列車(EF210-2+コキ+EF67)10両目付近の1両が脱線し、西条~広島間で現在運転を見合わせていると中国新聞が報じています。
列車は広島貨物ターミナルから東京貨物ターミナルへ向かう列車(上り)でした。
その後、不通区間は西条~安芸中野間に縮小されましたが、この区間の12月28~29日中の復旧は断念(終日運転取りやめ)したとの発表がありました。
また、明日30日についても運行できない可能性があるとのことです。
12月28日に山陽線、八本松駅~瀬野駅間で貨物列車が脱線したため、12月29日は始発列車より以下の計画で列車を運転します。また、運転見合わせ区間等では代行輸送を行います。
<終日運転取り止め>
山陽線 西条駅~安芸中野駅間
※12月30日については運転出来ない可能性がありますので計画が決まり次第お知らせいたします。<列車本数を減らして運転>
山陽線 三原駅~西条駅間、安芸中野駅~岩国駅間三原 から 西条 まで 本数わずか
西条 から 安芸中野 まで 終日運転取り止め
安芸中野 から 岩国 まで 本数わずか出典:JR西日本運行情報
当該区間以外にも、三原~岩国までの長区間に渡って列車本数が相当少なくなるようです。青春18きっぷユーザーにとっては痛いですね…。
尚、29日始発から新幹線とバスによる代替輸送が行われています。
<代替輸送>
○新幹線による代替輸送
山陽新幹線三原駅~広島駅間において代替輸送を実施します
※12月28日以前に購入された切符を持っていらっしゃるお客様・定期券、回数券をお持ちのお客様に限ります。
※山陽線西条駅~山陽新幹線東広島駅間において連絡バスを運行します○バスによる代行輸送
山陽線西条駅~安芸中野駅間において、バスによる代行輸送を実施します
※バスの本数に限りがあります。
※道路状況によっては大幅に時間がかかることがあります。
※代行バスと新幹線・在来線間での接続はいたしません。出典:JR西日本運行情報
12月28日21時45分現在: 20時50分頃、山陽本線:八本松駅〜瀬野駅間で発生した車両トラブルのため、西条駅〜安芸中野駅間で順次運転を見合わせています。なお、本日は終日運転を見合わせます。※現地の状況により、運転再開時間は変更となる場合があり… #JR西日本 #山陽本線 https://t.co/bnAhgkur5f
— JR西日本列車運行情報(広島・山口エリア)【公式】 (@jrwest_HiroYama) December 28, 2021
尚、JR西日本の運行情報では脱線と正確に報じておらず、「車両トラブル」という曖昧なニュアンスで記述されています。
セノハチとは
瀬野~八本松間を、通称「セノハチ」と呼びます。
ここは開業以来「山陽本線最大の難所」とも言える場所で、瀬野→八本松へは22.6パーミルもの上り急勾配を擁する区間となります。
あまりもの勾配に機関車1両だけで上りきれず、現在でも貨物列車では補助機関車を取り付ける必要があるボトルネック区間で、山陽本線を走る機関車はまずこの「セノハチが登れるかどうか」を必要スペック計算の参考にするほどです。
すなわちこの区間で脱線してしまうと、復旧には相当な苦労が伴うものとみられます。
21時時点で1両だけの脱線だったにも関わらず、早々に当日中の復旧を諦めた背景にはこういう面もありそうです。
関連リンク
参考文献
中国新聞「貨物列車が脱線、JR山陽線の西条―広島間で運転見合わせ」