2021年11月2日、JR西日本の新型検測車両「DEC741形」が製造メーカーの近畿車輛から旅立ち、そのままおおさか東線やJR京都線等において試運転を行いました。
先日ご紹介した「DEC700形」や87系「瑞風」と同じく、ディーゼルエンジン+モーター駆動のハイブリッド形気動車です。
電気で走行しますが、エネルギー源は架線ではなくディーゼルエンジンから採る「ディーゼル・エレクトリック」と呼ばれる方式です。
エクステリア
外観を見ていきましょう。
まずはDEC741の前面部。大人しめな顔つきで、ぱっと見ただけでは検測車っぽくないスタイルですね。
カラーはキヤ141系など検測車のイメージである黄色と、そのイエローが映える色として青色の2色が採用されています。色合いや顔立ちから「東武東上線っぽい」なんて声も見られました。
ライトは271系「はるか」と似たタイプのものを採用しています。
編成全景。DEC700とは異なり2両編成が組まれています。この写真でいうと
[DEC741-101]-[DEC741-1] 前→
という形式名になっています。
検測車なので編成定員はわずか5名(DEC741-101が2名、DEC741-1が3名)と非常に少ないのも特徴です。
所属は近キト(吹田総合車両所 京都支所)となっています。
DEC741のロゴ。検測車が鉄道や生活を支えていることを表したものになっています。
屋根上が「激パ」
そして…今回何より注目度が高いのがこの無数のカメラ郡。もはや屋根上が激パです。
これ、模型化する時大変そう……メーカーさん、頑張って下さい(白目)
このカメラは総数50台もあるそうで、電柱・信号機・碍子など100種類の設備を撮影・測定し、AI分析する為のものだそうです。
あわせて夜間やトンネルなど暗所用にライトも取り付けられています。すごいインパクトですね。
また、上部から見た絵が集合体恐怖症の方にとって相当パンチの効いたものらしく、掲載するときには注意が必要かもしれません。
そして、この一段低いところに取り付けられたパンタグラフ。
これはトロリ線の摩耗具合等をチェックする為のもので、なんと先代検測車であるクモヤ443系のものを移設したのだそうです
【訂正】パンタグラフではなく、架線検測装置を流用したのだそうです
この部分でしょうか…?わざわざ綺麗に磨き直して取り付けているようですね。
DEC741形は2022年4月頃から架線検測車両として運用開始、2025年からは現在人の目視で行っている電気設備の検査を車両上で行うことを目指しています。
走行区間は多岐にわたり、JR西日本(在来線)全線区はもちろん、JR四国・JR九州など他JR社や、あいの風とやま鉄道や肥薩おれんじ鉄道など第三セクター会社へも乗り入れが出来るようになっています。
関連リンク
参考文献
西日本旅客鉄道株式会社「総合検測車導入による検査の車上化 」
マイナビニュース「JR西日本の総合検測車DEC741形が試運転、将来は四国・九州も走る!?」