上場している鉄道私鉄企業の内、2020年度における赤字額でランキングを出してみました。
黒字を達成した2社
以前記事にしたとおり、山陽電鉄と神戸電鉄のみがギリギリ黒字を確保。それ以外は全て赤字決算となりました。
山陽電鉄・神戸電鉄は不動産事業で鉄道事業の損失をカバー出来たことが黒字の理由です。
特に神戸電鉄は中間決算時点で赤字を見込んでいたものの、最終的には黒字にまで持っていったことはお見事といえるでしょう。
赤字が目立つ3社
反対に、赤字が目立ったのは西武ホールディングス、京成電鉄、近鉄グループホールディングスです。
西武ホールディングスはホテル・レジャー業が主力の鉄道に匹敵する収益の柱ですが、外出自粛を受けて大幅に減退した結果、私鉄業界で最も悪い数字を記録(▲723億円)。
京成電鉄も空港輸送が大幅に落ち込んだ他、ディズニーランド(オリエンタルランド)からの配当収入も減ったことで売上高の割には赤字額が大きくなる(▲302億円)結果となりました。
近鉄グループホールディングスも過去最大の赤字(▲601億円)を記録。
近畿日本ツーリストなどの救済の為、黒字部門で60年に渡っての関係だった福山通運を売却した他、ホテル(京都都ホテル)やビル(近鉄堂島ビル)についても次々と売却して資産額を減らしており、しばらくは業界ランキングでも東急の後塵を拝するものと見られます。
赤字額ランキング
会社名 | 赤字額[単位:百万円] |
---|---|
1位:西武HD | ▲72301 |
2位:近鉄GHD | ▲60187 |
3位:東急 | ▲56229 |
4位:小田急電鉄 | ▲39804 |
5位:阪急阪神HD | ▲36702 |
6位:京成電鉄 | ▲30289 |
7位:名古屋鉄道 | ▲28769 |
8位:京王電鉄 | ▲27519 |
9位:京浜急行電鉄 | ▲27211 |
10位:東武鉄道 | ▲24965 |
11位:相鉄HD | ▲13057 |
12位:西日本鉄道 | ▲12074 |
13位:京阪HD | ▲4574 |
14位:広島電鉄 | ▲3291 |
15位:富士急行 | ▲2786 |
16位:南海電鉄 | ▲1861 |
17位:新京成電鉄 | ▲1085 |
18位:秩父鉄道 | ▲531 |
19位:京福電気鉄道 | ▲338 |
20位:神戸電鉄 | +187 |
21位:山陽電鉄 | +422 |
関連リンク
参考文献
日本経済新聞『「売りたくなかった」 苦境の鉄道、生き残りへ資産圧縮』