JR西日本は、2026年度末までに500系新幹線のうち4編成を順次廃車にすると発表しました。代替車両となるのはN700系を8連に短縮させた編成です。
玉突きで…
JR西日本では、最新系列のN700S系を2024年~26年度にかけて4編成投入します。
その玉突きで、現在運行しているN700系の4編成を16両編成から8両へ短縮改造し、山陽新幹線内の「こだま」等に充てるようです。
更に、N700系の短縮改造車投入で余剰となる500系新幹線の全6編成のうち、4編成を用途廃止にする意向であると発表しています。
すなわち、4編成が完全に廃車となるのは2027年3月のダイヤ改正となるでしょうか。
500系新幹線は300km/h運転ができる初の新幹線として1996年に落成。他にはない色使いや鋭角的なフォルムから、今なお人気で親しまれている、JR西日本を代表する新幹線車両です。
合計9編成が増備されましたが、2024年現在は3編成が廃車となり、6編成が運用に就いています。
W1編成が2014年に、W5/W6編成が2022年に廃車となりました。
このうちW1編成の先頭車は、現在京都鉄道博物館にて展示・公開されています。
2008年からは後継車両であるN700系の増備に伴い、16両編成から8両編成へ短縮改造が行われ、現在の運用に至っています。
「のぞみ」用車両としては1997年以来11年、「こだま」用車両としては2008年以来16年の運用歴を誇ります。
8両短縮化改造後は、その知名度を活かし様々なカラーバリエーションが展開されました。
2024年現在は「ハローキティ新幹線」として新大阪~博多間で運用されています。
開発者の予言通りに
500系新幹線の開発を担当された仲津英治氏が、2010年に学術誌内で次のように発言しています。
500系のぞみ号はトンネル突入による圧力変動が小さいため、揺れも少なく、乗り心地が良いとお客様に評判であった。さらに私は、こだま号になっても圧力変動が小さいことにより、金属疲労が起こりにくく、車体が長持ちしてくれるのではないかと期待している。
出典:JREA 2)
まさにこの予言通り、500系新幹線は他の車両と比較して、圧倒的な長寿命を実現しているのですね。
同文献には、先代の300系新幹線と比べて走行抵抗が70%程度であると記載されています。
関連リンク
参考文献
- 西日本旅客鉄道株式会社「山陽新幹線の安全性・快適性の向上 」
- JREA「らくがき帳 自然に学ぶ」、2010年9月、仲津英治
- Shinya- Ohnishiさんのツイート