共同通信が「700系7000番台(ひかりレールスター)は500系よりも先に引退する」と報じています。
JR西日本が抱えるドクターイエローのT5編成は2020年代後半までは運用する見通しだ。
JR西日本が運用中の最も古い新幹線車両は500系だが、山陽新幹線の最高時速300キロで運転することが可能だ。そこで500系より新しいものの、最高時速が285キロにとどまるひかりレールスター700系を「先に引退させることを計画している」(関係者)という。
出典:共同通信 2)
2024年2月にプレスが、またそれにあわせて新興メディアがJR西日本から直接「700系ひかりレールスター車両に関しては置き換えの計画はない」という言質を取っていることから、この話はガセ話と思われます。
500系よりも年下だけど…
元ネタとなったのは、ドクターイエローの動向について書かれた記事。
ドクターイエローに関しては、その殆どが記者の予想というあまり信憑性が高くない記事ですが、その中にさらっと「関係者談」としてレールスター車両の動向に記載があります。
結果的にこの話も信憑性が高くないうちの一つになりましたね。
裏付けのない記者の適当な予想だったのでは…?と邪智してしまいます。
論旨としては700系ベースであるドクターイエローの廃止→レールスターも廃止→速度を300km/hに合わせる、という文脈でレールスターの廃止について語られました。
かつては「上質なひかり」として、専用カラーを纏って君臨したひかりレールスターですが、現在は役目を九州新幹線へ直通する「さくら」に譲っており「こだま」運用がメインです。
「ひかりレールスター」として運行されるのは、新下関発岡山行きのひかり590号(新下関6:11発)だけとなっています。
ひかりレールスターは2000年のデビュー。1997年デビューの500系よりも年下になりますが、先の引退となることには少し驚きですね…。
500系は今でも300キロで走れる?
よく「500系は短編成(V編成)化で最高速度を落とした」とされていますが、実際には現行のV編成でも設計最高速度については305km/hが維持されており、300km/h走行は可能のようです。
「500 TYPE EVA」のパンフレットに記載があるようです
現在載せているパンタグラフは700系をベースに製造したシングルアームの「WPS208形」ですが、製造時についていたのはT形の「WPS204形」でした。
鉄道ファンの中では「このパンタグラフが300km/h走行に対応していない」という説が論じられますが、あまり関係ないのでしょうか…?
関連リンク
参考文献
- 東洋電機技報「500系新幹線短編成用パンタグラフ」東洋電機製造、2009
- 共同通信「「新幹線のお医者さん」のドクターイエロー、現行車両でその活躍にいよいよ幕? 2020年代後半で引退と考える3つの理由「鉄道なにコレ!?」」(信濃毎日新聞デジタル内)、2023年11月14日
- San Rapiさんのツイート