2022年12月5日、くろしお3号に充当されていた283系(元オーシャンアロー編成)が、天王寺出発後の阪和線へ合流する勾配で空転してしまい、それ以上先に進めなくなる事故がありました。
過去にも同様のケースが発生しており、283系の「もうかなり限界に来ている説」が噂されています。
事故の概要
詳しい内容はこちらを見て頂くとわかりますが、今回の事故は信号が赤になったことから始まりました。
9時23分発のくろしお3号(283系)は天王寺駅出発後、30パーミルの上り勾配を持つ阪和線合流地点へ差し掛かりました。
しかし阪和線の電車がまだ来ていなかったのか、上り切る手前で赤信号を現示され停止。
その後、青信号になったので発車しようとしたところ、車輪が空転して動けなくなってしまいました。
283系は天王寺駅へ自力でバックして戻り、223系の代走車両(和歌山行き・HE401編成)へ振替となりました。
ここで止まると大阪環状線・大和路線にも影響があるので、広範囲に遅れが広がりました。
阪和線は天王寺駅に阪和線専用ホームを備えているので、ここで折り返し運転を行い遅れの影響を最小限にして回避していました。
4年前にも…
実は、4年前の6月にも同様のトラブルが起きていました。
2018年6月20日の8時10分頃、新宮行き「くろしお1号(283系)」が出発後、同じポイントで坂が登れず動けなくなったトラブルがありました。
この時は鶴ケ丘駅までなんとかたどり着き、乗客を降ろしたようです。
北陸新幹線と関係?
今回のトラブル車両である283系は、1996年に登場した電車です。
通常、電車は20年~25年程度で、機器の老朽化対策や旅客ニーズの変化への対策から更新工事が行われることが多いのですが、この283系は26年が経過した現在も登場当初のままの状態です。
これは北陸新幹線 金沢~敦賀間の開業を2024年春に控えており、開業後は同じ区間を走り重複するサンダーバード・しらさぎに使用されている特急電車が余剰となることから、彼らを「くろしお」用に転用させるべく283系に何も手を付けていないのではないか…という説があります。
過去に「しらさぎ」用として活躍していた電車(683系)が北陸新幹線金沢開業で役目がなくなったことで、289系へ改造され現在「くろしお」として運用に就いているという先例があることから、説得力のあるものとなっています。
すなわち、2024年までは同様の事例がまた起きるかもしれませんね…。
関連リンク
参考文献
産経新聞「JR特急くろしお車両トラブル、天王寺出発できず一時立ち往生 環状線、大和路線運転見合わせ」2018/6/20