公益財団法人日本デザイン振興会が毎年主催している「グッドデザイン賞」の2023年版が発表されました。
グッドデザイン賞とは、毎年秀逸なプロダクトデザインを取り入れた製品が受賞する賞で、もちろん鉄道関係からも選出されます。
今年はどんなものが受賞対象となったのでしょうか。鉄道車両を中心に見ていきましょう~
南海8300系/泉北高速鉄道9300系
プロデューサー:南海電気鉄道株式会社、泉北高速鉄道株式会社、近畿車輛株式会社
ディレクター:
南海電気鉄道株式会社
NANKAIマイトレインプロジェクトチーム
泉北高速鉄道株式会社
近畿車輛株式会社
デザイナー:
近畿車輛株式会社 デザイン室
南海電気鉄道株式会社 公共交通グループ 鉄道事業本部 運輸車両部
泉北高速鉄道株式会社 鉄道技術本部 技術部 車両課
昨日もお伝えしましたが、南海8300系と兄弟形式である泉北9300系がダブル受賞。特に8300系はデビューから年月が経っての受賞となりました。
泉北9300系製造にあたり、南海8300系をベースとしつつもデザイン面で大きく両者の差別化を図ったことが受賞対象となったようです。
東武鉄道N100系 SPACIA X
ディレクター:
東武鉄道株式会社 鉄道事業本部 間仲祥司
株式会社日立製作所 研究開発グループ デザインセンタ 髙田裕一郎
デザイナー:
東武鉄道株式会社 鉄道事業本部 岡田敏英
株式会社日立製作所 研究開発グループ デザインセンタ 神村成自、ユンヤンハン、藤元貴志、園田幸子
東部の新型フラッグシップ特急である「スペーシアX」が受賞です。
審査担当からは飲食スペースを復活させたことを一番の理由とし、次いで車内インテリアや交通電業社製の行き先表示器「彩Visiion」についても言及されています。
JR東海HC85系
プロデューサー:東海旅客鉄道株式会社
ディレクター:東海旅客鉄道株式会社
デザイナー:
東海旅客鉄道株式会社
エイアンドエフ株式会社 福田哲夫、福田一郎
有限会社イメージアス ジェリィ・フォリー
2022年にJR東海の第二世代特急として華々しいデビューを飾った「ひだ」「南紀」用のHC85系。
デザイン面もですが、ハイブリッド式エンジンへ変更したことでCO2排出削減を実現したのも評価されているようです。
HC85系はこれで「グッドデザイン賞とブルーリボン賞」のダブル受賞となりました。
(台湾)交通部臺灣鐵路管理局 電気機関車 E500
プロデューサー:Taiwan Railways Administration, MOTC (TRA)
ディレクター:
東芝インフラシステムズ株式会社 交通システム部 交通システム設計担当 西川明伸、阿部浩二、吉田友理子
デザイナー:
株式会社東芝 CPSxデザイン部 宮路太平、吉田卓史、福岡寧、一瀬謙太郎、鶴見慎吾
台湾の鉄道で使用されている旅客/貨物兼用の電気機関車であるE500系。
製造を東芝が担当しており、今回グッドフォーカス賞を受賞しました。
芳賀・宇都宮LRT
プロデューサー:宇都宮市+芳賀町+宇都宮ライトレール株式会社
ディレクター:
GKデザイン機構 山田晃三
GKインダストリアルデザイン 若尾講介
GKグラフィックス 木村雅彦
GK設計 入江寿彦
デザイナー:
GKID根岸岳 北嶋悠史,武村 里佳
GKGra 坂本廣樹,曽我昌平,星将夫,八木沢ひろみ,武田慶子,鈴木享子,宇賀地裕子,檜原朝美,渡辺由紀夫,金子孝,大橋健志,古溝正義,吉田正之,関山美穂,櫻井千水
今年電撃的なデビューを果たし、早くも黒字化を見据えている宇都宮ライトレールがグッドフォーカス賞を受賞です。
宇都宮が「雷都」といわれたことから着想された黄色をベースに、行政とデザイナーが一体化して作り上げたトータルデザインが評価されています。
その他
鉄道車両を中心に取り上げましたが、それ以外にも
・西日本鉄道「天神・因幡町通り地下通路」
・JR西日本「行動を創造する定期券「きっかけエリアパス」」
・JR東日本「JR内房線太海駅」
などなど、鉄道に付随する施設も受賞しています。
個人的に超個性的デザインの大阪メトロ400系がないのが気になるところですが、万博開催の2025年あたりで出願するんでしょうか…?
関連リンク
参考文献
公益財団法人日本デザイン振興会「2023年度グッドデザイン賞」各ページ