JR九州の労働組合「JR九州ユニオン」が、日豊本線(小倉~大分~宮崎~鹿児島)において恒常的な積み残しが発生していると自社が発行している組合機関紙にて報じています。
1,000件…
今回の弁は、「秋のダイヤ改正に対する緊急申し入れについて」という項目から。
JR九州ユニオンによると、以下のやり取りが行われたそうです。
(筆者注:組合)日豊本線において連日乗客の積み残しが発生している。両数増結ならびに車掌の乗務指定をされたい。
会社)現行通りとしたい。
・ダイヤ改正直後は積み残しも多く あったが、現在は落ち着いてきている。
・両数増結するには車両が無い。
・利用者からの苦情は1000件以上。出典:JR九州ユニオン業務部「JR九州ユニオン業務速報 」第20号
利用者からの苦情は1,000件以上にも上っているという、衝撃的な返答も記載されています。
一口に日豊本線と言っても、ソニックが走る小倉~大分や宮崎~都城あたりも全てが日豊本線であり、同機関紙内でも区間の指定がなく、どこでのことを指しているのかは不明です。
Twitterで探してみると、平日朝ラッシュ時の下曽根~小倉で積み残しのせいで遅れているという話を見かけます。
JR九州側の言い分として「車両がない」を挙げていますが、この区間を走る415系鋼製車が9月で引退したことは記憶に新しいところ。
経年劣化もあったのでしょうが、なくなった分の代替フォローはなかったのでしょうか…。
浪漫鉄道から不満鉄道へ
2016年の上場から5年で、急速にサービスが悪くなっていくばかりのJR九州。
特に2021~22年においては、華々しい西九州新幹線開業の裏で
・列車本数の大幅な減少
・南福岡~博多間の混雑が悪化
・「みどりの窓口」の大幅削減、営業時間短縮
・長崎、熊本、鹿児島エリアでの車掌廃止検討
・赤字でも配当を継続(下半期のみ)
など、かつて「浪漫鉄道」として羨望の対象となったとは思えない悪化ぶりが続いています。
地場の西日本新聞でもこの問題に触れており、大きな反響を読んでいるようです。
記事内では直接JR九州への取材も行っていますが、肝心の積み残し件数について具体的な数値を示さないなど、あまり誠意ある返答とはいえない内容となっています。
関連リンク
【JR九州】長崎・熊本・鹿児島の車掌廃止を検討中…労組は反発
JR九州、コロナにより乗務員確保が困難に…ソニック等120本が運休へ
参考文献
西日本新聞「JR九州のダイヤ改正に不満多数」
JR九州ユニオン「情報」