以前ご紹介した東淀川区の淡路駅近くに保存されている「DF50形機関車」ですが、現地にて解体工事の看板が掲出されています。
残念ながら、2024年1月より機関車の解体作業が始まっています。
どこまで解体?
それがこちら。名目などは不明ですが、8月1日~11月30日の間で契約が結ばれているようです。
契約した企業「NKカンパニー」は、とび・土木工事業、そして解体工事業を営んでいるとあります。
大阪市の入札情報によると「ディーゼル機関車上屋(豊里西工区)解体撤去工事」となっており、工期から見てもカバーのみを解体しているものと思われますが、車両もどこかへ陸送して解体されてしまうのは…と危惧しています。
古い電車は肺疾患を起こすアスベストなどを保有しているリスクがあるので、解体の際には専用の設備を持った工場まで輸送されます。
現地の様子
解体されているという情報を聞きつけ現地に訪れると、以前とは変わった状態になっている姿に驚きました。
前回訪問時の様子。アクリル製とおぼしきケースにて保存されていました。
ただ、台風18号の影響でケースが破損してしまったようで、応急措置的にDF50形へブルーシートが被せられていました。
上の写真と同じアングルから。上屋が完全に解体されています。
気になるのが、かつてあったこの案内看板。
外周部から観察する限りでは撤去されているようで、今後の車両の動向が気になるポイントです。
既にDF50形の周辺を覆っていたカバーは完全に解体されており、ぐるぐる巻にされたDF50形が鎮座しています。
なぜここへ?
DF50形は、この地域の都市区画(豊島西都市区画整理事業)の一環として誕生した菅原天満宮公園の記念事業として、1981年(昭和56年)にやってきました。
特にこの地区とDF50形とで縁があるわけではありませんが、ちょうど前年の昭和55年3月に引退した車両であり、タイミング的にも都合が良かったのでしょう。
車両自体は国鉄→JRに所有権があり、歴史的経緯から貸し出しという形を取っているようですが、JR側は返却不要と言っているという情報もあり、今後の動向が注目されます。
関連リンク
参考文献
- 大阪市都市整備局「拓けゆくわが町 : 宅地造成土地区画整理事業. 豊里西地区」、1987年3月