南海電鉄は、2022年度の南海グループ統合報告書を発表しています。
この文中にて、高野線山岳区間向けの観光列車「天空」の代替車両を2025年度に導入することを検討している、との一文が記載されています。
高野線で運行している観光列車「天空」は、2009年のデビューから約13年、ベースとなる車両導入からは50年以上が経過し、老朽化が進んでいます。近年は他社でも多くの観光列車が導入され、各社ともサービス内容に工夫を凝らしていることから、「乗りたい電車」を目的としたお客さまのニーズも多数あると見ています。そのため、これまでの経験を踏まえて新たな魅力を追加することで、より「乗ってみたい」と思っていただけるような観光列車の導入を検討しています。現在、2025年度の導入を目標として、運転区間やサービス内容について検討を進めています。
出典:南海電鉄 1)
2000系が受け継ぐ?
出典:南海電鉄 2)
新型観光列車計画は、2022年4月に発表された事業計画書にて初めて登場しました。
この時のイメージリリースでは2000系、もしくは2300系を改造したかのようなデザインが描かれており、これまでの天空(2両編成)とは異なり4両編成であることも伺えます。
2300系は必要最低限しか本数がない一方で、2000系は運用に余裕がある(特急こうやの代走も行えるほど)ことや、4両編成であることからも2000系が有力です。
南海では機器故障時の冗長性確保のため、基本的に2両編成での運行はせず同じユニットをもう1つ繋げる(=4両編成)傾向があります。
2300系はそうならないよう2両編成でも運行できるシステムが組まれていますが、2000系は基本的に4連以上でしか運行されません。
「天空」も同じく2000系の先輩である22000系ズームカーを改造した車両であり、同じ系譜をたどる後輩もそうなる可能性は十二分に考えられます。
関連リンク
参考文献
- 南海電鉄「南海グループ 統合報告書 2022」
- 南海電鉄『新中期経営計画「共創 140 計画」について』