四国旅客鉄道は、2025年度から導入する新型気動車の詳細をEUへの貿易関係書類内で発表しています。
以前の報告では「電気式気動車」としていましたが、今回の説明書ではそれを「ハイブリッド方式のローカル気動車」へ変更しています。
1 調達内容
(1) 品目分類番号 18
(2) 導入計画物品及び数量 ハイブリッド式ローカル気動車(2 両 1 編成)
量産先行車:2 編成
量産車 :27~33 編成程度
(3) 調達方法 購入
(4) 導入予定時期 量産先行車:2025(令和 7)年度
量産車:2027(令和 9)~2030(令和 12)年度出典:四国旅客鉄道 1)
前回との違いまとめ
7月に発表されていた内容では、以下の通りでした。
・2025年度に量産先行車2両を導入
・2027年~30年度に量産車50~80両を導入
・電気式気動車、もしくはハイブリッド式車両
・特急形か通勤形かは不明
これらを検討して第1回の意見招請を行った結果、今回の取りまとめで以下のように変更となりました
・2025年度に量産先行車2両を導入
→そのまま
・2027年~30年度に量産車50~80両を導入
→2027~30年度に量産車27~33”編成”を導入
・電気式気動車、もしくはハイブリッド式車両
→ハイブリッド式車両に一本化?
・特急形か通勤形かは不明
→ローカル気動車なので通勤(近郊)型
「ハイブリッド式車両」へ一本化した理由については、「CO2削減・燃費向上の観点等から電気式→ハイブリッド式へ変更した」としています。
また「両」から「編成」へと変更されている点も注目。搭載機器の観点から単車では厳しいとの判断なのでしょうか。27~33編成ということは、54~66両ということになります。
徳島線のように単車である1500形が4連を組むような線区もあるので、そちらへ導入→余剰の1500型を他線区へ転出→老朽車両を廃車…となっていくかもしれませんね。
単行車両の1500形が4連を組むのは、連結時には使用されない運転台が増えることやトイレも1両に1つづつあることからキャビンスペースが少なくなり非効率なので、それらを解消できる今回の2両1編成の新車は優先的に導入かもしれません。
ハイブリッド式のメリット
また、ハイブリッド式車両であれば、従来保有している電車・もしくは気動車のどちらかの運転免許で運行できるメリットもあります。
甲種電気車運転免許の欄に規定する電気車及び甲種内燃車運転免許の欄に規定する内燃車に、鉄道事業法施行規則第20条の車種による区分に関わらず、それぞれ「内燃機関を用いて発電機を回転させることにより発生した電気で電動機を駆動させる方式の車両」を含むものとして取り扱う。
出典:国土交通省 鉄道局長「動力車操縦者運転免許に関する省令の事務取扱いについて」の一部改正について、平成28年6月17日 (国鉄安第18号)
現在JR東海で導入が始まっているHC85系がまさにそれで、少し前に話題となりました。
CO2削減・燃費向上を理由としていますが、運用面でいえばこれらのメリットも享受できると考えられているのでしょうか。
関連リンク
JR四国、2025年度から電気式気動車を投入?
【JR東海】HC85系は気動車免許がないと乗れない?
参考文献
- 四国旅客鉄道「意見招請に関する公示」、令和4年9月22日
- 四国旅客鉄道「資料提供招請説明書-ハイブリッド式ローカル気動車に関する情報提供のお願い-」、2022年9月22日
- ひろさんのツイート