阪急電鉄は、2040年度までに阪急全駅(86駅)へホーム柵を設置すると発表しました。
今回のホームドア・ホーム柵整備には、2021年12月に創設された「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用するとのことですが、要は「現行運賃に加算する値上げ分でホームドア整備を賄う」ということです。
尚、同日には兄弟会社の阪神電鉄も同様の発表をしています。
関西の鉄道事業者において全駅ホームドア(柵)設置計画を発表するのは、北大阪急行(3駅)・大阪メトロ(108駅)・大阪モノレール(18駅)に次ぐ4例目でしょうか。
北大阪急行…2016年12月
大阪メトロ…2019年4月19日
大阪モノレール…2020年?
阪急電鉄…2022年8月3日(阪神と同日)
いくら値上げ?
値上げ幅は以下の通りです。
・普通切符…10円
・通勤定期券…1ヶ月380円、3ヶ月1,080~1,090円、6ヶ月2,050円~2,060円
・通学定期券…値上げなし
この運賃は2023年4月1日から適用を開始し、現在の予定では2036年3月末までとなっていますが、EV・ES更新の為か「2036年度以降も継続予定」となっています。
普通切符による増収効果はは25億2500万円、定期券は11億4700万円に上り、この財源を活用して全86駅へ設置していくとのことです。
整備計画
2026年3月までに整備されるホームドア・ホーム柵数は以下の通りです。
・ホームドア…8駅、24番線(113億900万円)
・固定式ホーム柵…14駅、25番線(15億7500万円)
更に、2026年4月~2036年3月までに整備されるホームドア・ホーム柵数は以下の通りです。
・ホームドア…58駅、143番線(577億8300万円)
・固定式ホーム柵…3駅、8番線(5億400万円)
中津はどうなる?
このホームドア設置で、おそらく最も注目されるのが中津駅。
ホーム幅員が2~3mと非常に狭く、ホームドア筐体だけで半分程度が占有されそうな中津駅は見るからにホームドアをつけるのが困難だとわかる駅です。
阪急のプレスリリースでは「可動式または固定式」とあるので、おそらく中津を始めとする幅員が狭い駅には、固定式の柵が導入されるものとみられます。
関連リンク
参考文献
阪急電鉄「全駅にホーム柵を設置するとともに、全駅のバリアフリー化を目指します~鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、バリアフリー設備の整備を推進します~」