JR大和路線の奈良~郡山間(奈良市大森町~八条4丁目)において、現在高架化工事と新駅設置工事がスタートしています。
新駅は奈良市八条二丁目に設置される予定です。
当記事では、便宜的に所在地である「八条」を仮駅名称として使用していますが、正式にこの駅名に決まった訳ではありません。
2021年度より着工しており、現在は文化財の調査実施中。奈良県のサイトによると現在の進捗率は約13%とのこと。
高架化工事については、認可当初予定では平成36年度(2024年度)を目処に完工するとしていましたが、遅れが出ており令和10年度(2028年度)に完成予定です。
一方、大和路線の新駅がいつになるかはまだ未定です。奈良市によると「大まかに10年後(2032年頃?)ぐらい」とのことでした。
今回の高架化工事で、4箇所の踏切が解消される予定です。
2015年 | JR新駅、都市計画決定 |
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2016年 | 事業認可、用地買収開始 |
2021年 | 仮線路整備開始 |
2028年度 | 高架化工事完了予定 |
2032年頃? | 新駅設置予定 |
そんな大和路線の八条新駅&高架化工事における現場の様子を見てきました。
八条新駅
新駅設置部分。現在はまだ何も手がつけられていない状態です。こちらは西口となります。
駅設置部分のおおよそのマップ。
奈良~郡山間は4kmの距離があり八条周辺はちょうど鉄道空白地帯となっていることから、需要も見込めそうですね。
場所はマルハン大安寺店の目の前。
現地は少し癖のあるT字交差点がありますが、高架化工事でそれらも解消される見込みです。
尚、駅設置部分と思われる敷地については「ジェイアール西日本不動産開発」が保有しているようでした。
大和路線高架部
駅については殆どまだ未着手ですが、高架化工事については先行して進められています。
こちらは2028年度(2029年3月まで)に完成予定です。
まず仮の線路は既存線の東側に設けられ、その敷地を利用して高架構造物を建設する予定です。仮線の用地買収についてはほぼ完了しています。
西側の高架化がスタートする部分から奈良方面。
右側には砂地のスペースがありますが、ここに高架構造物が作られます。
1:中八条踏切
自動車通行不可となっている中八条踏切。奥側には済生会病院が見えます。
2:八条踏切
今回の除却される踏切の中で、最も交通量が多いのが八条踏切です。
当初予定では道路側(都市計画道路八条紀寺線)を高架化し、大和路線は地平のままの予定でした。
しかし、道路交通量が将来的に減少するとの予測からその必要性が認められず、それでも立体交差化の必要はあったことから大和路線側を高架化することになりました。
踏切から郡山方向。ちょうどこの位置に先述した「八条新駅」が建設される予定です。
奈良方向。ゆるく曲線を描いています。
3:大安寺踏切
最も東側に位置するのが大安寺踏切。この先はかなり狭隘(きょうあい)な道路となっています。
奈良方向。ここからは既に先行設置されている高架線路となっています。
郡山方向。現在仮線を建設中で、ここから分岐することになります。
尚この先には今回ご紹介できなかったもう一つの踏切、「南大安寺踏切」があります。
高架化区間概要
・場所:JR西日本 関西本線(大和路線):奈良市大森町~八条4丁目
・対象駅:なし(但し新駅を設置)
・事業延長:1.88km
・除却踏切:4箇所
(大安寺踏切、南大安寺踏切、八条踏切、中八条踏切)
・事業費用:155億円(新駅を除く)
・完成予定:2028年度中(2029年3月末まで)
関連リンク
参考文献
JR西日本『「JR新駅周辺地区」における奈良県、奈良市と西日本旅客鉄道株式会社との連携協定締結について』
奈良県『(都)大安寺柏木線及び(仮称)新駅西口広場の事業認可説明会議事要旨【大安寺地区】』
奈良県『都市高速鉄道 西日本旅客鉄道関西線 西日本旅客鉄道関西線の変更理由書』
奈良県幹線街路整備事務所『西九条佐保線、西日本旅客鉄道関西線等の整備に係る事業説明会資料』
奈良県(道路建設課)『社会資本整備交付金事業(都)西九条佐保線(都)大安寺柏木線 JR関西本線高架』令和2年12月