熊本市交通局、新型車両の仕様公示

熊本市交通局、新型車両の仕様公示

2022年5月16日、熊本市交通局は新しく導入予定である新車両の設計業務委託に関する書類を公示しました。

今回公示された資料で、熊本市交通局が求める新型車両の仕様諸元が判明しています。

 

スペック

基本仕様等(参考)既存0803形の仕様
① 運転速度
 最高運転速度(性能)40km/h(60km/h以上)40km/h(70km/h)
 加速度2.5km/h/s程度2.5km/h/s
 常用制動時減速度4.4~4.7km/h/s4.7km/h/s
 非常制動時減速度5.0km/h/s5.0km/h/s
② 車両
 定員(座席定員)100人以上
(座席定員は極力多く設定すること)
86人(38人)
 構成1編成2車体運転
 車両長さ30m以下18.46m
 車両幅
(外部ミラー等除く)
2.35~2.4m2.4m
 車両高さ
(パンタ折りたたみ時)
3.94m以下3.75m
 車両重量25t
 軸重11.0t
 最小曲線半径30m以下25m
 乗車口高さ軌道面より400mm以下300mm
 最大偏倚
(R=30m通過時)
外方:1,470mm以下、
内方:1.357mm以下
外方:1,470mm以下、
内方:1.357mm以下
③ 台車
 駆動方式直角カルダン歯車型可とう軸継ぎ手
 台数(1編成あたり)2台
 車輪騒音対策品弾性車輪
④ 走行装置
 制御装置回生・発電ブレーキ付、
VVVFインバーター制御
 主電動機
自己通風三相かご形誘導電動機、100kW×2
 空転・滑走防止落葉時の油分による空転・
滑走に対処可能なもの
出力制御、砂撒き装置
⑤制動装置
 常用ブレーキ発電/回生、ステップレス油圧(ばね作用)
 非常ブレーキ乗客操作可
ばね作用油圧弛め式ディスクブレーキ併用
 保安ブレーキ電磁吸着式トラックブレーキ
⑥ 車両設備
 座席対面式クロスシート
(一部)ロングシート
 最小通路幅710mm
 乗降扉前・中2か所/片側、幅1,250mm、
両開閉式(電動式プラグドア)
 車いす用スペース運転席後方に各1か所、最前部扉より乗降
 車いす用乗降設備車いす取扱電車停留所
(別紙3)での対応が可能
各最前部扉に設置、電動リフト式
 換気機能常時換気可能強制排気ファン
 後方確認装置ミラー、車内外カメラ+モニター等車内外カメラ+モニター

出典:熊本市交通局「【公募型プロポーザル】多両編成車両設計業務委託について」

 

比較対象となっているのは2連のLRV車両である0800形(803号車)です。

条件は長さ30m以下、定員100名以上となっているので、0800形よりも車両数が増えることは間違いなさそうです。

出典:熊本市交通局「熊本市交通局経営計画(2021~2028)~市電100年、そして次の世紀へ~ 骨子」

 

以前熊本市交通局より発表されたイメージ図では3両編成を構想しているようで、アルナ車両のリトルダンサーらしき設計図が見られました。

ただリトルダンサーと決まったわけではなくあくまでイメージ図で、幅広い車両メーカーから募集すべく今回の公募型プロポーザルの手続きが採られているようです。

 

どこになる?

今回はあくまで公募の形を採っていますが、実質的にこの条件の車両を作れるのは2メーカーに限られるでしょう。

一つはアルナ車両の「リトルダンサー」、もう一つは新潟トランシスがライセンス生産を行う「ブレーメン形」です。

リトルダンサーブレーメン形
車軸ありなし/あり
最小通路幅820mm760mm
最小曲線半径14m18m
勾配対応22パーミル50パーミル
設計最高速度60km/h80km/h
前部の扉は片側のみ制約なし

両者にはそれぞれメリット・デメリットがあり、2つを並べるとこのような差があります。

例えば急カーブ(最小曲線半径)が曲がれるのはリトルダンサー急勾配を上り下り出来るのはブレーメン形…といった具合です。

これまでの熊本市交通局では0800形などブレーメン形が用いられてきましたが、今回はどうなりますでしょうか。

提出期限は2022年6月21日17時までとなっています。

 

関連リンク

【熊本市電】3両編成の新型車両導入・急行運転を検討中

【熊本市電】新型車両を10編成導入へ!メーカーはどこになる?

参考文献

熊本市交通局「【公募型プロポーザル】多両編成車両設計業務委託について

 

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