熊本市交通局は、路面電車路線へ新型車両10編成を導入することを発表しました。以前発表された経営計画案を踏襲した形です。
今回のは「移動等円滑化取組計画書」から改めて発表されたもので、2024年度~2028年度の4年にわけて順次超低床形車両を導入、あわせて旧型車両の廃車も進めていく模様です。
トランシスvsアルナ
熊本市電の超低床車両には、長年新潟トランシスがライセンス製造する「ブレーメン形」が用いられており、日本初のLRV車両9700形、および0800形が導入されてきましたが、導入車種についてはまだ明らかになっていません。
しかし、以前の発表では現行車両の2倍の定員を確保できる3両編成の新型車両導入を示唆しており、アルナの「リトルダンサー」シリーズの設計図が挙げられていたことから、同社の車両になる可能性もあります。
リトルダンサー | ブレーメン形 | ||
---|---|---|---|
車軸 | あり | なし/あり | |
最小通路幅 | 820mm | 760mm | |
最小曲線半径 | 14m | 18m | |
勾配対応 | 22パーミル | 50パーミル | |
設計最高速度 | 60km/h | 80km/h | |
扉 | 前部の扉は片側のみ | 制約なし |
両者を比較すると、カーブを曲がれる最短距離はリトルダンサーが、勾配と最高速度はブレーメン形が優位。
現在の熊本市電は全線併用軌道なので40km/hまでですが、将来的には郊外への延伸構想もあることから、他車両と同じく70km/hでの走行が望ましくはあります。
車両保守の面では車両のタイプが統一することが望ましいとは思われますが、富山など複数メーカーの列車が運行されている都市もあることから、熊本市の動向が注目されます。
関連リンク
参考文献
熊本市交通局「移動等円滑化取組計画書」2021年6月30日(7月19日公開)
熊本市交通局「熊本市交通局経営計画(2021~2028)~市電100年、そして次の世紀へ~ 骨子」