JR四国の松山駅周辺の2.4km区間において、高架化事業が現在進行中です。
現在は高架化工事の最中で、事業完了予定は2024年(令和6年)を予定しており、愛媛県によると現在の進捗率は79%とかなり進んでいます。
今回の高架化工事で、松山市の玄関口である松山駅が高架駅へ切り替わり、8箇所の踏切が除却される予定です。
また高架化以外にも、一足先に新駅である南伊予駅が2020年に開業した他、松山駅にあった松山運転所・車両基地を移転するなど、県都・松山の鉄道における一大事業となっています。
完成イメージ
松山駅
新しい松山駅は、2面4線の高架駅になります。旧松山運転所跡に移設、つまり現在よりもやや西側になります。
詳しい駅デザインなどはまだリリースがありませんが、愛媛県を代表する駅ですので、同じく高架化の際にリニューアルした高知駅のような斬新なデザインが期待されるところです。
現在、今治方面(しおかぜ等)と宇和島方面(宇和海等)との連絡は同一ホーム(1番線)で縦列停車させる変則的な停車形態が採られることが多いですが、高架化以後は方向別に対面での連絡となる雰囲気ですね。
現在の松山駅は、1953年に建設された2代目。
駅出口は東側(伊予鉄側)のみで、西側には長らく貨物駅が併設されていたことで出口がありませんでした。
伊予鉄延伸
また、松山駅高架化にあわせて伊予鉄道の大手町線も駅下へ延伸されます。
現在は駅東側に「JR松山駅前」電停がありますが、これを高架駅下に移設。更に西へ700m延伸させて、南江戸地区までの乗り入れが計画されています。
設置駅(電停)についてはまだ決まっていません。
将来的には松山空港へのアクセス路線としての構想もあるのだとか。路面電車で空港アクセスを担うのは国内ではまだなく、実現すれば日本初の事例となります。
新駅:南伊予駅
松山運転所の移転に伴い、新しく出来たのが南伊予駅です。こちらは既に供用がスタートしています。愛媛県に新駅ができるのは29年ぶりとのこと。
また松山貨物駅もここに設置されました。
松山自動車道の伊予IC~松山ICの間にあるここは、松山貨物駅から輸送されるトラックには利便性の高い立地。従来は松山市内に入らないといけない(+踏切での渋滞も)場所でしたが、松山市郊外に移転することでスムーズなアクセスが可能となります。
高架化区間概要
・場所:松山市美沢二丁目から空港通一丁目
・対象駅 松山駅
・事業延長:約2.4km
・除却踏切:8箇所
・事業費用:580億円
(うち、国:約272億円、愛媛県:約184億円、松山市・伊予市・松前町:約57億円、その他:約67億円)
・完成予定:2017年度→2020年度→2024年度(用地買収遅れによる)
関連リンク
参考文献
愛媛県『JR松山駅付近連続立体交差事業』
松山市『幹線道路・路面電車計画』