【鉄道用語】疎開とは

【鉄道用語】疎開とは

疎開、もしくは疎開回送とは、何らかの事情で本来車両を置いておく場所に留置できない場合に、空きのある他の場所へと移送する回送のことを指します。

疎開回送を経て、一時的に疎開している状態のことを疎開留置と呼びます。

 

疎開には、大まかに分けて「車両運用上の都合」と、「災害リスク回避の為の都合」と2種類が存在しており、本記事では、そのどちらも取り扱います。

 

 

転属車の疎開回送

転属車の疎開回送・疎開留置は、車両自体は既にあるものの転入先の車庫がいっぱいなことから、一時的に空きのあるスペースへと置いておくことを指します。

 

写真のJR西日本221系は、網干総合車両所から奈良支所へと転属することになったのですが、

・新車の225系投入により網干にある車庫に空きが必要になったこと
・および転入先の奈良電車区に空きがないこと

から、スペースに余裕のある宮原支所(新大阪)へと一時的に疎開回送・留置が行われました。

疎開留置は数週間~数ヶ月スパンの単位で行われ、その間はしばらく何もさせずにひたすら留め置かれます。

 

 

廃車の疎開回送

一方、廃車時にも疎開回送が行われることがあります。

理由は転属車の項で書いたのと同じく、廃車にするための場所がないことから、一時的に空きのあるスペースへと置いておくことを指します。

直近では、勝田車両センターに所属していたJR東日本の651系「スーパーひたち」K105編成が郡山車両センターにて廃車される際、一旦高萩駅へ疎開回送・疎開留置されていました。

こちらも期間は比較的長く、651系K207編成は青森にて7年近くも疎開留置されるなど、長いと数年スパンの単位で行われるようです。

 

 

 

災害の疎開回送

台風や大雨などで車庫が水没・浸水する危険性がある場合に、一時的に避難・退避させることを指します。

2019年の台風19号で、JR東日本のE7系を置いておく新幹線車両基地が水没したことは記憶に新しいですね。

 

電車が浸水すると廃車にせざるをえず多大な被害額が出ることから、日本気象協会ではJR東日本からの依頼で、河川が近いエリアにおいて予測雨量から河川水位の上昇を予想し、車両を避難させる「車両疎開判断支援システム」を開発しており、それに応じた車両疎開が行われています。

先述の転属・廃車の時と異なり、このケースの疎開留置は災害が去るまでの数日間のみ行われるようです。実際に2021年8月には、長野から仙台駅など各所へ一時的に疎開が行われました。

 

 

関連リンク

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参考文献

日本気象協会『JR東日本から「車両疎開判断支援システム」導入への貢献に関して 感謝状をいただきました

 

 



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