南海高野線の行先としてよく表示される「高野山極楽橋」駅。
極楽とは浄土真宗でいう極楽浄土のことで、宗教都市・高野山っぽい駅名がついています。
キリスト教ならさしずめ「Heaven Station」でしょうか笑
そんな俗世から離れて幸福を追い求めれそうな極楽橋駅は、いったいどんな駅かご存知でしょうか。
行先で見るけどよくは知らない……という方も多そうなので、今日は極楽橋駅の㊙情報をお届けします(大袈裟)
駅前は本当に何もない。ただ山。
御覧下さい。こちらが極楽浄土一歩手前にあるらしい極楽橋駅です。
ご、極楽…?
写真は2008年のものなので現在とはやや姿が異なりますが、建物の形は概ねこのまま。
サイン計画が進んでいる南海としては珍しく、白看板に黒文字という旧態依然の状態です。
住所が「国有林第8林班」
駅の住所ってだいたい「~市」とか「~町」とかですよね。田舎にいっても「~大字」とか、ある程度行政としての町名がしっかりついています。
しかし、極楽橋駅の住所は「和歌山県伊都郡高野町大字高野山国有林第8林班」です。
林です林。林単位で管轄されています。
極楽橋駅周辺には村どころか集落もありません。
隣の紀伊神谷駅ですらある程度歩いていった先に集落があるのに、ここは本っ当に何もないんです。
これは、極楽橋駅は当初から周辺に集落があるところに作ったのではなく、あくまで高野山のケーブルカーと接続しやすい場所に作ったことが背景にあります。
「乗換を除いた」乗降人員が32人もいる
先述したように、極楽橋駅周辺は木・林・森のオンパレード。緑のパラダイスです。
ほとんどはケーブルカーへ乗り換える人ばかりなのですが、この駅で降りる人がなんと32人もいます(2017年度の1日平均)
どこへいくのだ。
「どこにいくのか…?」を考えていたんですが、こんな意見を頂きました。
・徒歩でそのまま高野山に山登り(お遍路)
・遠足の学生が徒歩で山登り
・鉄道ファンの記念下車・全線踏破目的
な、なるほど…
めっちゃ時間がかかる
ターミナルの橋本駅から極楽橋駅までは僅か9駅と20分程度で到着しそうな雰囲気ですが、この区間は山登りをする関係で時速33km/hと超低速に進むことから、非常に時間がかかります。
おまけに特急以外の車両では途中で行き違い列車の待避もあることから、非常に時間がかかります。
待機などがあるかないかでまちまちですが、この区間の快速急行・普通の所要時間はおおよそ45分~55分程度。特急こうや号だと、最速で30分程度です。
「極楽橋」が本当にある
駅の由来になった「極楽橋」ですが、実は本当にあります。
「極楽橋」と書かれていますね。
「極楽橋駅 」は高野山(聖域)と俗世をわける境界だという言い伝えが残っています。
出典:南海電鉄公式サイト
つまりこの橋までは俗世で、この橋を渡ると極楽(=高野山)にいける…ということなんでしょう。
ちなみに、2019年に極楽橋駅はリニューアルを果たし、すっかり美しい駅へと変化しました。
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