出典:堺市「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)環境影響評価準備書」
南海電鉄の堺東~浅香山間(向陵西町4丁~遠里小野町4丁)において、高架化事業がスタートしようとしています。
現在は事業説明会を行っている段階で、事業認可を来年2021年度に取得し、用地買収→工事開始と長い道のりがスタートします。全ての事業完了は2040年(令和22年)を予定しています。
今回の高架化工事で浅香山駅と堺東駅の2駅が高架駅へ切り替わり、10箇所の踏切が解消される予定です。
開かずの踏切とは
国土交通省が指定した、ピーク時の遮断時間が40分以上に渡る踏切のこと。車や歩行者の円滑な行動を妨げ、円滑な交通の阻害になるとして国単位での除却が進められています。
また現在、原則的に踏切の設置は禁止されています。
完成イメージ(堺東駅)

堺東駅は、長らく堺の商業的中心として栄えている主要駅。また、千代田から来た定期試運転列車がこの駅で折り返しを行うなど、南海の運行上としても重要な駅となっています。
今回の高架化では最も高い、地上17mの高さで高架化される予定です。
堺東駅舎の様子。駅ビルには高島屋が入居していますが、かなり年季の入った建物です…
現在の堺東駅は2面5線で緩急接続や待避駅を行っていますが、イメージ図を見る限りは引き続き緩急接続・待避などの機能は維持されるようです。
ただ、回送線が維持されるかどうかは微妙なところ。図面も拡大して見てみたのですが「5線」が維持されるのかどうかは見つけることが出来ませんでした…。
試運転電車は、今後違う駅で折り返す可能性もありますね。

堺東駅から南向き(三国ヶ丘方向)を見た様子。
奥に見える緑色の山のようなものは仁徳天皇陵(大仙古墳)です。

堺東駅周辺の工事は商業施設などが集積していて用地買収が難しいことから、既存線路の真上に新しく高架線を作る直上方式、その他区間は仮線方式を採用して事業を行います。
現在の様子
現在の堺東駅は地平駅です。元々この右側にも留置線があったようですが、2007年頃から駅直結の15階建てマンション建設が行われてなくなっています。
マンション建設後の様子。
堺の中心地である割には、だいぶ年季の入った駅舎ですねぇ…。
堺東から南向き方向(三国ヶ丘方面)。8000系の試運転電車がやってきています。
先述したように、堺東駅は南海高野線の運行保安上としても重要な駅です。
高架化区間概要
・場所: 堺市向陵西町4丁~堺市遠里小野町4丁
・対象駅: 堺東駅・浅香山駅
・事業延長: 約3.5km
・除却踏切: 10箇所
関連リンク
参考文献
堺市 建設局 道路部 連続立体推進課「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に関する事業概要説明会」平成30年10月
堺市「南海電気鉄道高野線連続立体交差事業に関する都市計画変更(素案)について」
堺市「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)環境影響評価準備書 概要版 」