現在、南海本線の立体交差化事業が進んでいます。
その中で、羽衣~高師浜間を結ぶ高師浜線も同じく立体交差化工事を進めていますが、一部で「3年間の運休・及びバス代行輸送を行う」との報道があり、「既存の鉄道営業線を運休して高架化するなんてあるのか…?」と個人的にも懐疑的でした。
が、沿線を管轄する高石市の議事録に同じような言及があるので、信憑性がかなり高いようです。(南海からの公式リリースはまだ出ていません)
◎次長兼連立街路河川課長(松原茂君)
お答えいたします。
事業の進捗につきましては、事業主体の大阪府が中心となりまして大阪府、南海電鉄及び高石市の三者にて適宜協議を行っております。昨年、三者協議におきまして、南海本線上り線高架化の工事期間を3年から2年延伸いたしまして令和3年5月の切りかえへ、また高師浜線高架化の施工方法を仮線方式からバス代行輸送へ変更するということで、三者の方向性が一致いたしました。(中略)高師浜線の施工方法につきましては、現在行っております本線上下線の高架工事の施工状況を踏まえたところ、現計画の仮線施工で実施した場合には、当初計画に予定していました2年から3年延伸いたしまして、5年間の工事期間が必要という見込みが示されました。この検討結果から工期短縮、コスト縮減を目指しまして検討していただいた結果、高師浜線高架化の工法につきましては、バス代行輸送案へ変更することで工程を5年から3年へ2年間の短縮が可能となりましたので、加えて事業費におきましても縮減効果があることから、バス代行輸送へ変更することで、三者の方向性が一致いたしました。
今後も大阪府が中心となりまして、事業の精査、調査を行いながら行ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。出典:高石市議会議事録
すなわち、通常の「鉄道運行をしながら高架化する」方式だと5年の歳月がかかりますが、「一旦鉄道を運休してバス代行輸送」にする方式だと3年で済むことから、お金・時間を節約して建設できるとのことでした。
利用者は支線で一番
大阪府のページによると、今回高架化されるのは羽衣~伽羅橋間の1.0km。
高師浜線の乗客は伽羅橋・高師浜共に1日約1,600人程度の利用があります。これは南海の保有する支線では最も利用客が多い(大阪市内の汐見橋線以上)路線です。
わずか1.5kmを結ぶ支線にも関わらず高架化工事をわざわざ行うのは、同路線の利用者がそれなりに見込めるものだからでしょうか。
ちなみに「南海電鉄の元社長が住んでいたから」という都市伝説もあるようですね。
存命中ならまだしも、そんなことで高架な維持費をかけてまで鉄路を保存するでしょうか?
高師浜線ギャラリー
駅名標
終着:高師浜駅