先日、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」で東京まで行ってまいりました。
実際にサンライズ瀬戸・出雲号に乗ってみて感じた・得た様々な体験や気付きを、これからサンライズ瀬戸・サンライズ出雲に大阪駅から乗ろうと思われている皆さんへシェアしたいと思います。
①寝れない覚悟で行く
「寝台特急」なのにいきなり本末転倒な話なのですが、初めて乗車する寝台特急サンライズ瀬戸・出雲は寝れない覚悟でいきましょう。
サンライズ瀬戸・出雲は決して「走るホテル」ではなく「寝台特急という乗り物」であるということをベースにしていないと、かなり大変な目を見ます。(私がそうでした)
寝れない理由にはもちろん「ワクワクするから」というのもあるんですが、それ以外の理由もあるんです。例えば…
・揺れる
・空調が効いてない(湿度が凄まじい)
・換気が悪い
・敷布団のマットが固い
・揺れる
・線路の音が枕を通じて伝わってくる
・謎の音がする
・揺れる
一つ一つ見ていきましょうか。
・揺れる
サンライズ、本当に揺れます。
特に横揺れが凄まじく、走っているので日常的に左へ右へ遠心力が働きますし、たまに縦揺れもします。カーブの際のGが想定以上にきつい。
今回私が乗ったのは階下の部屋でしたが、階上・平屋共に揺れるそうです(階下はまだマシらしい)
・騒音
そして音もすごい。室内自体はかなり防音装備が備わっているので、他人の出す声や音が聞こえるというわけではありません。
しかし、線路のガタンゴトンの音が枕を通じて伝わってくるのには参りました。肝心の台車下から聞こえる騒音があまりカット出来ていません…。
但しこれは、私の部屋が2階建ての下側の車両だったからかもしれません。上だと静かかな…?
・謎の「カカカ」音
ガタンゴトン音とは別にカッカッカッ…と「謎の音がする」というのも厄介なポイントでした。
減速して停車するときにのみ聞こえてきます。寝付こうとした瞬間にこれが聞こえてきて厄介でした…
ちなみに、この謎の音はこちらの動画の7:40あたりで流れる音なんですが、過走防止装置という装置の音なのだそうです。
サンライズ瀬戸・出雲号は、大阪を出ると次は静岡まで降りれませんが、運転停車という「降りれないけどダイヤ上の関係で止まる」ことがちょこちょこあります。
運転停車は「米原・熱田・豊橋・浜松」の4駅で行うようで、その度に先程の「カカカ音」が鳴り響いて目が覚めました…
・換気、空調が悪い
地味に痛かったのがこの空調関係。コントロールパネルではヒーターの設定しかなく、冷房が全くありません。
また車内は湿度がかなり高く、定期的にドアの開け閉めを行っていたほどでした。秋でもこれだったので、夏場はしんどいかもしれませんね…。
・敷き布団がマット
敷布団はふとんじゃありません。マットです。めちゃ固い…
冒頭で「走るホテルではない」と言った理由はこのあたりにあります。
②頼れるコンビニは1箇所のみ
続いて、乗車前の買い出し編。
大阪駅には数多くのコンビニ(セブイレ)がありますが、サンライズエクスプレスが来る0時前後だと開いている店舗は非常に限られます。
桜橋口改札に近いセブンイレブン(JR大阪駅桜橋口内店)が、唯一25時まで営業しているので、補給はここで済ませておきましょう。
サンライズエクスプレスには車内販売などなく、途中駅での買い出し停車もないので、ここでは
・水かお茶(500ml x 2、3本)
・食料
は、必要最低限買っておきましょう。
③シャワーなどなかった
サンライズ瀬戸・出雲にはシャワー室がついていますが、アテにしてはいけません。
大阪発だと、シャワーカードが間違いなく売り切れてます。
シャワーカードという制度は、サンライズ瀬戸・出雲が溜めておける水量に限りがある為に作られています。
売り切れているということは、すなわち、サンライズの車両にもう水の余裕がないことを示しています。
この点、「トワイライトエクスプレス瑞風」や「ななつ星」などは途中の駅や車庫でちょこちょこ補給しているのですが、サンライズ瀬戸・出雲にはそれがないため、一度なくなると終点までずっとないままの状態となります。
シャワーやお風呂は事前に入るか、東京に着いてからお風呂に行く段取りをしておきましょう。
④自販機は売り切れる
「サンライズエクスプレスは寝れない…」と①の項目で書きましたよね。
寝れないので車内にある自販機へ水を買いにいこうと思った時………そうです。朝方の自販機は売り切れてます。
サンライズエクスプレスの自販機は
・いろはす
・綾鷹
・ジョージア エメラルドマウンテン
・コーラ
・リアルゴールド
の5つが売っていたんですが、リアルゴールド以外は全て売り切れていました。
のど乾いている時にリアルゴールドは……更に喉が渇きそうですね…(白目)
②の項目で「水・お茶を2,3本買っておきましょう」と書いた理由はここにあります。
ちなみに
全く寝れなかったサンライズ瀬戸・出雲号ですが、経験としては非常に有意義なものでした。
今や最後の一本になってしまった夜行列車を実際に経験してみて「過去の先人もこんなことを思っていたのかな…」と感じるところはありました。
特に深夜のラウンジカーは、私が父から聞いていたことと同じく最高の環境で、非常にワクワクしました。
東京から富山に帰る寝台列車に乗っていて、思い出深かったのは電車から見た朝焼け。
慣れないコーヒーを飲んでめっちゃ苦しんでしんどかった時、食堂車みたいな場所に出てきたら朝焼けがめちゃくちゃ綺麗やったな(父の回想から)
また、朝焼けをイメージした「サンライズ」の名前に負けることなく、静岡と神奈川の県境である由比ヶ浜あたりを走行する際に見える、太平洋から上る朝日は非常に美しい光景でした。
この風景をラウンジカーで見たことは、恐らく一生忘れない思い出でしょう。
自分の子供にも語り継いでいきたいところです。笑
鉄道好きな方もそうでない方も、是非一度はこの「サンライズ瀬戸・出雲号」に乗ってみてくださいね。
尚、音鉄さん向けの情報ですが、東京到着時は7:04にアナウンスが流れていました。フルでアナウンスの収録を試みられる方は是非参考にしてください。
また、大阪〜横浜までは深夜帯ということもあってか、放送の類いは一切流れませんでした。自動放送は横浜到着時からになります。