現在は真っ白な特急電車である287系・289系を用いて「こうのとり」として運転されている、大阪~福知山~北近畿方面への特急電車。
過去には「北近畿」という名前で走っていて、車両も国鉄カラーの183系が使用されていました。
また、北近畿タンゴ鉄道車両によるちょっぴり豪華な「タンゴエクスプローラー」という列車も走っていました。
そして……その合間を縫って走っていた、「文殊」という地味な特急電車があったことをご存知でしょうか。
私は、この文殊のなんともいえない中途半端さが大好きでした。
名前が堅い
「文殊」ってめちゃくちゃお堅そうな名前じゃないですか。名前の由来も文殊堂から来ているそうですし。
特に、同じルートを走る他の特急電車と並べた時に、ひときわ目立っていたんですよね。
「北近畿」→エリアの名前
「たんば」→エリアの名前
「タンゴエクスプローラー」→スーパー化した特急列車っぽい
「文殊」→文殊!?
みたいな。
「文殊」という硬派な名前から、最初は「イカつい専用車両でもくるのかな」と思ってたんですが、最初見た時は「北近畿」と全く変わらない183系車両で肩透かしを食らった記憶があります。
車両は同じなものの、(微妙な)専用HMがちゃんと用意されていたりとそれなりの処遇を受けていたように思います。
写真は「文殊2号」で、1.5往復が設定されていました。
当時廃止が取り沙汰されていた「雷鳥」目当ての撮り鉄で賑わう、夕方の大阪駅へそーっと進入してくる文殊は、なんともいえない味わいがありました。
大阪駅10番線へ到着する「文殊」。 撮影日:2011年1月29日
私もその例に漏れない一人で、「文殊」目当てに撮影したことは一度もなく、この時期廃止が取り沙汰されていた「雷鳥」のついででの撮影が多かったのです。
つまり福知山線などでは撮影せず、もっぱら「雷鳥」と走行位置が被る大阪駅での撮影でした。今見返してもほぼ全ての写真が大阪駅での撮影です。
そんな文殊は、2011年3月のダイヤ改正で、新たに作られる「こうのとり」へ吸収される形でひっそりと姿を消したのでした。
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