2024年5月15日、今年も近鉄GHDの発表をもって、上場している私鉄20社・JR4社の決算が出揃いました
ということで、今年も売上高・純利益額ランキング……いわば、鉄道企業の業績ランキングを作りました。
【各用語について】
①「営業収益」:売上高のこと
②「営業利益」:売上高から仕入れたモノの原価・人件費・光熱費などを差し引いた数字
③「経常収益」:本業以外の収益・損益を足した数字
④「純利益」:営業利益から税金を差し引いた数字
【例】
・切符を1,000円分売った場合
・1,000円を売ったので、①の「営業収益」はそのまま1,000円
・1,000円を売るために、動いていた券売機の電気代やメンテナンス費用、更に1,000円で乗車する電車の電気代・メンテナンス費用などを差し引いた数字が②の「営業利益」
・法人税等を、②から更に差し引いた数字が④の「純利益」
になります。
売上高ランキング
まずは売上高ランキング。
基本的には規模が大きい会社ほど売上高は伸びるので、路線長やグループ会社を多数抱えるような企業などが上位に来ます。
すなわち、この数字が大きい会社は規模が大きい鉄道会社ということになります。
詳細データ
順位 | 企業名 | 売上高(2023年度) | 前年度 |
---|---|---|---|
1 | JR東日本 | 2兆7301億円 | 2兆4055億円 |
3 | JR東海 | 1兆7104億円 | 1兆4002億円 |
4 | JR西日本 | 1兆6350億円 | 1兆3955億円 |
2 | 近鉄グループホールディングス | 1兆6295億円 | 1兆5610億円 |
6 | 東急 | 1兆378億円 | 8791億円 |
5 | 阪急阪神ホールディングス | 9976億円 | 9683億円 |
7 | 東武鉄道 | 6359億円 | 6147億円 |
8 | 名古屋鉄道 | 6011億円 | 5515億円 |
9 | 西武ホールディングス | 4775億円 | 4284億円 |
10 | JR九州 | 4204億円 | 3832億円 |
11 | 西日本鉄道 | 4116億円 | 4946億円 |
12 | 小田急電鉄 | 4098億円 | 3951億円 |
13 | 京王電鉄 | 4086億円 | 3471億円 |
14 | 京阪ホールディングス | 3021億円 | 2600億円 |
16 | 京成電鉄 | 2965億円 | 2523億円 |
15 | 京浜急行電鉄 | 2806億円 | 2530億円 |
17 | 相鉄ホールディングス | 2700億円 | 2496億円 |
18 | 南海電気鉄道 | 2415億円 | 2212億円 |
19 | 富士急行 | 507億円 | 429億円 |
20 | 山陽電気鉄道 | 392億円 | 389億円 |
21 | 広島電鉄 | 304億円 | 274億円 |
22 | 神戸電鉄 | 223億円 | 213億円 |
23 | 京福電気鉄道 | 140億円 | 133億円 |
24 | 秩父鉄道 | 49億円 | 46億円 |
売上高ランキングについては、昨年とあまり変動がありません。
トピックとしては、東急が売上高1兆円を回復した他、昨年関西ナンバーワンに君臨した近鉄GHDは再びJR西日本に抜かれ、僅差で2位となっています。
純利益ランキング
一方、大きく変動があったのが純利益ランキング。
先程の売上高から経費や税金等を引いて、残ったお金のことを指します。要は「どれぐらい稼いでいるか」です。
順位 | 企業名 | 純利益(2023年度) | 前年度 |
---|---|---|---|
1 | JR東海 | 3844億円 | 2194億円 |
2 | JR東日本 | 1964億円 | 992億円 |
3 | JR西日本 | 987億円 | 885億円 |
4 | 京成電鉄 | 876億円 | 269億円 |
5 | 京浜急行電鉄 | 837億円 | 158億円 |
6 | 小田急電鉄 | 815億円 | 407億円 |
7 | 阪急阪神ホールディングス | 678億円 | 469億円 |
8 | 東急 | 637億円 | 259億円 |
9 | 東武鉄道 | 481億円 | 291億円 |
10 | 近鉄グループホールディングス | 480億円 | 887億円 |
11 | 西武ホールディングス | 477億円 | 567億円 |
12 | JR九州 | 470億円 | 311億円 |
13 | 京王電鉄 | 292億円 | 131億円 |
14 | 京阪ホールディングス | 248億円 | 176億円 |
15 | 西日本鉄道 | 247億円 | 183億円 |
16 | 名古屋鉄道 | 244億円 | 188億円 |
17 | 南海電気鉄道 | 239億円 | 146億円 |
18 | 相鉄ホールディングス | 160億円 | 69億円 |
19 | 富士急行 | 45億円 | 23億円 |
20 | 山陽電気鉄道 | 31億円 | 26億円 |
21 | 京福電気鉄道 | 20億円 | 12億円 |
22 | 神戸電鉄 | 10億円 | 6億円 |
23 | 広島電鉄 | 6億円 | 9億円 |
24 | 秩父鉄道 | 0.9億円 | ▲50億円 |
毎年恒例ですが、東海道新幹線を持っているJR東海が首位に君臨。他を寄せ付けません。
それ以外だと、今期は京成電鉄がかなり伸び、鉄道全体4位、私鉄業界では1位になるなど大きな順位変動が起こっています。
昨年までは15位前後を行き来していましたが、新京成電鉄の子会社化や運輸業の好調ぶりから一気に抜き出ました。
この他、京浜急行は品川駅にあった自社不動産、小田急電鉄は小田急センチュリービルの売却によって一時的に純利益がアップしています。
京福電鉄や富士急行はインバウンドで好調で、特に富士急行は過去最高の利益額となりました。
関連リンク
参考文献
売上高・利益(営業利益)については各社IRデータ(第4四半期決算短信より)
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