近鉄グループホールディングスは、2023年5月15日に予定していた決算発表を延期すると発表しました。延期による決算の発表日は、現在のところ未定となっています。
これは傘下にある近畿日本ツーリストが、コロナワクチン接種のコールセンター業務に関する委託料について、東大阪市などの自治体へ虚偽の申告を行い過大にお金を請求していたことが理由です。
金額は最大で16億円になる可能性があるとしています。
東大阪市に3億円
近畿日本ツーリストは、KNT-CTの子会社にあたり、近鉄グループホールディングスの孫会社にあたる関連企業です。
コロナウイルスの影響で、旅行代理店である近畿日本ツーリストは2020年度に284億円の赤字を計上する多大なダメージを受けていました。
そんな中、大阪府や東大阪市を含む合計762自治体から受託したコロナ関連業務(コールセンター)を行うことで凌いでいました。
ところが、それらの自治体に対してウソの人数を基に過大な請求を行い、合計2億9000万円の公金を不正に取得したことが大きな問題となっています。
過大請求を行ったと報告した自治体は、以下の16自治体に及びます。
・大阪府 4800万円
・大阪府東大阪市 3億3600万円
・大阪府羽曳野市 1300万円
・大阪府泉大津市 300万円
・大阪府河南町 100万円以下
・静岡県焼津市 4600万円
・静岡県掛川市 2200万円
・その他9自治体 計1億1300万円
お膝元ということもあってか、東大阪市だけ金額が突出していますね…。
近鉄GHDとしては直接的に関係ないのですが、資本関係があるので影響は避けられず、今回の決算発表延期となったようです。
関連リンク
参考文献
近鉄グループホールディングス「令和5年3月期 決算発表の延期に関するお知らせ」、2023年5月9日
KNT-CTホールディングス「当社連結子会社による「新型コロナウイルスワクチン接種に係る業務」における過大請求について」、2023年4月12日
KNT-CTホールディングス「当社連結子会社による「新型コロナ関連受託業務における過大請求」に関する緊急社内点検について(経過報告)」、2023年5月2日