雑誌「鉄道ファン」より、EF58-61号機が廃車されたことが明らかになりました。除籍された日付は2023年5月31日付です。
これをもって、EF58形は全車両が廃車されたことになります。
廃車とはいっても既に大宮の鉄道博物館に入っているので、車体自体は変わらず存置されています。
EF58-61について
EF58-61号機は、数あるEF58形の中で最も有名な機関車です。
というのも、この機関車は天皇陛下を乗せた客車を牽引する「お召し列車」として指定された、栄誉ある車両なのです。
通常のEF58形はこのように青色とクリーム色を纏ったデザインですが、61号機はお召牽引の為に専用のぶどう色を纏っている他、専用機として落成した記念すべきロイヤル機関車でもあります。
お召し機としては過去最多の90回以上の牽引を行い、「天皇・皇后両陛下の御指定機」として日本中を駆け巡ったのでした。
その後、EF58-61は2008年に行われた検査で台枠が金属疲労による亀裂が発生。客車を牽引できなくなったことから現役を引退。この時点ではまだ車籍を持ったままの休車状態でした。
その後は東京総合車両センターにて保管された後、2022年に鉄道博物館へ搬入されて展示を開始。
博物館へ入るにあたってピカピカに車体が磨かれ、今日も埼玉の鉄道博物館の目玉として入場後すぐの位置に鎮座しています。
関連リンク
参考文献
交友社「鉄道ファン 2023年9月号」、150p