埼玉・鉄道博物館に10月から収容されている、伝説のお召機関車<EF58形61号機>を見てきました。
磨き上げられたダークボディに銀色の飾帯、そして誇らしい国旗掲揚…!!か、かっこよすぎる…!!
EF58形61号機は現在でも一応車籍は有していたものの、2008年の検査時点では経年劣化により牽引走行が不可能になったことから長らく休車扱いとなっており、東京総合車両センターにて埃を被る日々を過ごしていました。
しかし鉄道150年を記念して、2022年10月30日から埼玉鉄道博物館にて展示され始めています。誰もが見られる場所へ移動するのは嬉しいですね。
お召とは
そもそも「お召列車」とは何か…ですが、天皇・皇后両陛下、上皇・上皇后両陛下がご乗車になる専用の特別列車のことを指します。
現在は電車(E653系)が用いられていますが、以前は機関車+客車で組成されており、専属機関車として大役を任されたのがEF58形61号機でした。
ちなみに、全国各地に御召列車に相当する電車があります。
例えばJR西日本では直流電化区間で281系が、非電化区間では「サロンカーなにわ」が用いられる他、伊勢神宮への参拝には近鉄が50000系「しまかぜ」を起用しています。
EF58-61は、日立製作所が1953年に製造。
当初からお召し列車専用機として発注されていた為、日立製作所は社の名誉をかけて製造に臨みました。
製造・点検・試験も非常に入念に行われた他、お召し列車専用機としての特別仕様もあったことから、かなりの赤字を出したと言われています。
61号機が初めて御召列車運用についたのは、1953年の10月19日。
この日愛媛県松山市で開催される国体の開会式に参列される予定であった昭和天皇は、この日初めて61号機牽引の列車に御乗車されることになりました。
昭和天皇は国鉄職員から新型機関車の説明を受け、わざわざホーム先端部まで歩いてEF58-61を眺められたと記録に残っているそうです。
それ以来、EF58形61号機は述べ90回以上の御召列車を牽引し、名実ともに「天皇・皇后両陛下の御指定機」として日本中を駆け巡ったのでした。
専属機関車というわけではなく、団体列車・イベント列車なども牽引しています。
鉄道博物館では、田端運転所を示す「田」と、「御召」のサボが取り付けられた状態になっています。
ちなみに、現在正式には尾久車両センター所属となっています。
ギャラリー
惚れ惚れしながら夢中でシャッターを切っていました。皆さんも埼玉・大宮へ行かれることがあれば是非どうぞ!