台湾で新幹線(高速鉄道)を運営している台湾高鉄が、現在運行されている700T形車両の後継として、日本製車両を導入すると発表しました。
新型車両は日立製作所と東芝の企業連合によって製造される見通しで、読売新聞によると「N700S」系を導入するとしています。
2社が外される
現在運行している700T形は日本の新幹線車両である700系をベースとした車両で、川崎重工業・日本車両・日立製作所が製造を担当。日本の新幹線技術が海外へ初めて輸出された例で、2007年から営業を開始しています。
そんな700T形は古い車両で経年15年と、高速鉄道としてはそこそこの経年度合いとなっていたことから、2016年に台湾高鉄からJR東海へ車両更新の打診がありました。
これまで製造していた川崎重工業は現在N700S系を作っておらず、日本車両は海外事業の失敗が響いているのか、今回の製造担当としては名前が挙がりませんでした。
川崎重工業はE2系で中国へ高速鉄道を(結果的に)譲り渡したことにより、それに激怒したJR東海が製造担当から意図的に川崎重工を外している…という噂もあります。
台湾向けN700S系は12編成144両が導入される予定で、2027年からの営業運転開始を見込んでいます。
契約金額は1240億9100万円。1編成あたりの価格は103億円となり、2016年の打診時に予定されていたN700系(1編成16両で50億円程度)での置き換えよりもかなり高くなりました。
日本の電車が海外へ輸出されるのは実に喜ばしいことですが、しかしながら2019年以来過去2度の入札を実施していたものの、価格が高すぎたことでなかなか決まらなかったという経緯もあります。
関連リンク
参考文献
- 台湾高鉄「台灣高鐵公司董事會通過高鐵新世代列車採購」
- NHK「台湾高速鉄道 新たな車両にも日本の新幹線技術 近く正式契約へ」
- 日本車両「台湾高速鉄路殿向け 700T形高速電車」
- 読売新聞「台湾新幹線、JR東海「N700S」の導入発表…12編成で1240億円」