JR東海とJR東日本は、2021年春の臨時列車運転計画を発表しました。
この中で、特に青春18きっぷ利用者に恩恵がある「ムーンライトながら」の運転を終了することが発表されてしまいました…。
臨時の快速「ムーンライトながら」につきましては、お客さまの行動様式の変化により列車の
使命が薄れてきたことに加え、使用している車両の老朽化に伴い、運転を終了いたします。出典:東海旅客鉄道「“春”の臨時列車の運転計画について」
ムーンライトながらは元々定期列車でしたが、2009年から臨時列車へと降格。
2012年から運行本数削減が続き、年120日ほどあった運転日は、2020年度にはわずか37本(春季のみ)にまで減らされるなど風前の灯状態でした。
背景には、夜行バスの運行などで東海道区間を安価に移動できる手段が増えたことがあります。
50年来の隠れた「名門列車」
ムーンライトながらは、「大垣夜行」と呼ばれた快速夜行列車がルーツ。快速であることから、特に青春18きっぷ利用者に愛されてきた車両です。
1968年の「ヨンサントオ」ダイヤ改正において登場。(臨時化されたとはいえ)50年に渡って設定され続けてきた、隠れた名門列車でもあります。
車両は踊り子で使用されていた185系10連(大宮総合車両センター所属)を用い、東京駅から大垣駅までを結んできました。
しかし、185系車両は引退を発表。主線区であった「踊り子」からも撤退し、現在は臨時列車など波動用編成のみが残る状態ですが、2022年に全て廃車されることが発表されています。
尚、1996年の「ムーンライト化」に際して、比較的新しい373系車両が用いられたこともありますが、今回のリリースを見る限りではそのような車両運用変更による運転継続もなさそうです。
「大垣ダッシュ」という言葉を生むなど、鉄道ファンから見ても親しみのある名列車であることには変わりありません。
大垣ダッシュとは
大垣駅で走ること。具体的には「ムーンライトながら」で終着駅に到着した利用者が、接続する列車に着座する為に起こる現象。
ムーンライトながらは10連なものの、大垣から先へ行く列車がそれより短い3両や4両と輸送力が異なることから、定員に限界がある。
ありがとう、ムーンライトながら。
ありがとう、大垣夜行。
関連リンク