JR東日本は、485系を改造したお座敷列車「華」、および観光列車「リゾートやまどり」の運行を終了すると発表しました。
お座敷列車「華」は10月30日で、観光列車「リゾートやまどり」が12月で営業運転を終了、いずれも廃車にする方針です。
これをもって、国鉄特急の代表的な形式であった485系の歴史に終止符が打たれることになります。
始まりは1964年
485系は1964年、東京オリンピックの年に特急「雷鳥」「しらさぎ」用に登場。
当初は長く鼻の部分が出っ張ったボンネットスタイルでしたが、後に鼻部分が縮小されてフラットな前面となりました。
485系は交直流対応なので日本の電化区間ならどこへでも走れる汎用性と、1400両を超える大量製造から日本を代表する特急電車として長きにわたり「特急電車の顔」として君臨しました。
奇しくも鉄道150年を迎えた今年に廃車されることとなり、日本の鉄道史に残る車両として終止符を打つことになります。
様々なバリエーション
長い間走っただけありそのバリエーションも豊富で、スーパー雷鳥設定時に登場したパノラマ車「クロ481形」や、
JR東日本が所有する485系では、前面HM部分にLEDを採用するなど表情を一新したタイプ…
七尾線・富山地方鉄道乗入用に中間車を先頭車両化改造した「クモハ485-200」など、多数のバリエーションが生まれました(写真は183系化した後)
間接的にも
485系の廃車発生品(DT-32)は、富山地方鉄道へ譲渡されて京阪3000系車両に用いられるなど、間接的にも影響を与えました。
京阪は標準軌、富山地方鉄道は狭軌であったことから、狭軌台車を探していた富山地方鉄道が同じ狭軌である485系の台車を採用した経緯があります。
また、JR東日本の719系へもこれと同じく485系の台車が流用されています。
この他、485系で確立された高運転台+連結面という出で立ちは現在の特急電車にも採用されており、日本の鉄道の文化・歴史を確立するにあたって非常に重要な電車であったことが伺えます。