2022年7月26日、宮原支所にて留置されている旧型客車「マイテ49-2」と、建築限界検測用「オヤ31-31」が、京都鉄道博物館での展示の為、回送されました。
京都鉄道博物館で展示されるのは「オヤ31」のみの予定ですが、どういう理由なのか「マイテ49」も連結して回送されています。
輸送ルートは宮原操車場→塚本→大阪(11)→新大阪(15)→向日町操車場へと行われました。
この2両は普段滅多と姿を表さない、非常に貴重な車両です。
骨董品、動く
DD51に牽引されるマイテとオヤ。
[DD51]+[マイテ49-1]+[オヤ31-31]という組成で行われました。
次位に連結されていたマイテ49-2。
今回の回送は京都鉄道博物館とは関係がないと思われますが、ネット上を見ていると「宮原車庫工事のための疎開輸送」という説が浮上しているようです。
マイテの扉部分には「1等」の標示が設置されています。
マイテ49-2は、戦前の1938年に展望席付きの「一等車」として製造され、1961年まで活躍しました。
その後は大阪・弁天町の「交通科学博物館」に展示されていたものの、民営化時になんと車籍が復活。2018年には京都鉄道博物館で展示されています。
そして最後尾がオヤ31-31です。
1937年製のこの車両は当サイトでも何度か取り上げていますが、トゲのような部分で建築限界を測定する車両となっています。
トゲが花魁のかんざしっぽく見えることや、ゆっくり走ることから「花魁車」という俗称があります、
オヤ31は7両が製造されましたが、現在稼働できるのはこの車両のみとなっています。
(参考)
形式 | 継承 | 現況 |
---|---|---|
オヤ31-1 | 廃車 | – |
オヤ31-11 | 廃車 | – |
オヤ31-12 | JR東海へ | リニア鉄道館で展示中 |
オヤ31-13 | JR東日本へ | 2012年解体 |
オヤ31-21 | JR九州へ | 不明 |
オヤ31-31 | JR西日本へ | 現役 |
オヤ31-32 | JR北海道へ | 2018年解体 |
オヤ31が最後に検測を行ったのは2011年の琵琶湖線で、検査を除くと実質的に10年近く姿を見せていないことになります。
最後に検査を受けたのは平成30年1月のようです。
1分ほど停車した後にDD51に牽引され、ゆっくりと新大阪を去っていきました…。
新大阪駅では30名ほどのファンがこのチャンスを逃すまいと、早朝にも関わらず集結していました。
撮影されていた皆様、本当にご苦労さまでした。
関連リンク
最後の「オヤ31形」花魁車、京都鉄道博物館で展示へ