JR東日本は、主要環状路線である山手線においてATO(自動列車運転装置)の試験を昼間時間帯に行うと発表しました。
2018年度から終電後(夜間)での試験を実施しており、一定の成果を挙げています。
・2018 年度:加速、定速走行、減速、定位置への停車などの運転機能の試験
・2019 年度:乗り心地向上や駅間停車防止に関する車両制御の試験
・2020 年度:列車の最適な群制御など、将来の運行管理連携を意識した試験
そこで、今後は日中時間帯にもE235系1編成(トウ07編成)を用いて前後に列車が走行している状態での加速・惰性走行・減速などの基本的な運転機能・乗り心地・省エネ性能の確認を行うとのことです。
期間は2022年2月中旬から下旬にかけての5日間。今回の試運転でもまたトウ07編成が用いられるのでしょうか。
山手線が目指すもの
山手線ではドライバレス運転を目標としています。
自動運転と言っても様々な形態がありますが、山手線が目指すのはGoA3というグループです。
GoAとは?
自動運転における国際的なランク付けのこと。Grades of Automation(訳:自動運転の段階)の略字。
レベル1~4までがあり、詳細は以下の通り。
・GoA1 – 運転士、車掌が乗務。マニュアル運転で、速度オーバー時の自動減速や緊急時の停止のみを行う
・GoA2 – 運転士のみが乗務。ボタン押下やマスコンでの加速などで発進操作のみ行う。
・GoA3 – 乗務員が添乗。ドアの開閉のみ行う。
・GoA4 – 無人。全自動
現状、GoA4を導入できているのはニュートラムやゆりかもめなどAGT路線のみに限られています。
普通軌道を持つ列車ではGoA2が最高で、無事に導入できれば山手線が普通軌道としては初のGoA3レベル路線になります。
順調にいけば、2025~2030年度の間に山手線へのATO正式導入が行われる見込みです。
関連リンク
参考文献
東日本旅客鉄道「山手線の営業時間帯に自動運転導入に向けた試験を行います」
株式会社日立総合計画研究所「GoA (Grades of Automation)」