YouTube動画用に羽衣線へ訪れた後、どうせならということで、羽衣で連絡している南海高師浜線へ行ってきました。
南海高師浜線は、羽衣~高師浜間を結ぶ非常に短い路線です。
当記事でも何度か紹介していますが、今年の5月22日から羽衣駅周辺の高架化工事の為に3年間の運休が行われます。
高師浜線自体は終点の高師浜・途中駅の伽羅橋の両駅でも高架化が既に行われていますが、南海本線と接続する羽衣駅のみが地平の状態です。
エピソード「羽衣の踏切」
羽衣線から南海へは、南海本線のこの踏切を渡ります。この踏切は、南海電鉄の歴史の1ページに刻まれたちょっと有名な踏切です。
高師浜線の話に入る前に、このあたりの話もちらっと…。
かつてのJRは「阪和電気鉄道」といい、京阪が親会社の鉄道会社でした。阪和電気鉄道はこの駅の近くにある浜寺海岸への観光輸送を行うべく、羽衣駅まで支線を作ります。
それにいい顔をしないのが南海電鉄。どうにか阪和電鉄から来るお客を自社へ誘導しようと、こんな嫌がらせを行ったのだとか。
・阪和電気鉄道の駅から浜寺海岸へ行くには、南海の踏切を渡る必要がある
・そこで南海はこの踏切を通過する電車にノロノロ運転させる
・そうすることで、阪和電鉄から来るお客を妨害できる!
…おいおい(笑)
そんなこの踏切も、現在高架化工事中。まもなくこの姿も見納めになります。
高師浜線へ
さて、本題にいきましょうか。
高師浜線は、羽衣駅の奥にある切り欠きホームの3番線から発車します。2両の2230系が1車両だけで運用を回しています。
方向幕は「羽衣ー高師浜」と一々動かさなくていいようになっています。
車内はご覧のようにガラガラですが、来訪したのは平日の昼間。
朝夕においてはそれなりに利用客がいるのだそう。
【参考】
高師浜駅の利用客は1日1,699人(2019年)、伽羅橋駅は1日1,539人(2019年)です。
高師浜へ
そのままのんびり揺られること5分程度、終点の高師浜駅に到着です。
来た電車がそのまま折り返していきます。夜間留置はなく、24時台に住ノ江車庫まで回送された後に入庫します。
羽衣駅周辺の高架化によってこの入庫ができなくなることが、路線全体が休止する理由と思われます。
高師浜駅のホームから改札へ降りる階段。どことなく都市伝説の「きさらぎ駅」っぽいなと思いません?
高師浜駅の駅舎は立派でモダンな作り。
駅舎の上側にはステンドグラスっぽい意匠の窓がはめられています。(厳密にはステンドグラスではないそうです)
それにしても随分低い高架……写真に写っている車の「キューブ」がまぁ入るかなという高さですね。大型トレーラーは無理そうです
伽羅橋へ
駅間が近いこともあり、高師浜→伽羅橋まで歩きます。大きな道路を渡ると、さっきの電車が帰ってきました。
10分ほどで伽羅橋駅に到着。お、何やら商店街があるようで…?
…と思ったら何もない。テントもよくよく見たら商店「街」ではなく商店「会」でした。
伽羅橋は1面1線の高架ホーム。近鉄の柏原南口っぽい作りです。
この難しい「伽羅」の文字は、伽羅という香木の名前なのそう。実際のその橋もあるのだそうです。
まとめ
のんびり高師浜線の旅、いかがでしたでしょうか。
まもなく運休となる高師浜線ですが、再開までは代行バスが運行される模様です。
高師浜線の再開は2024年、羽衣駅周辺の高架化工事完成は2026年の3月になっています。
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