近鉄の八木西口駅。ここはターミナルである「大和八木駅」から1駅隣の駅ですが、近年廃止が取り沙汰されるようになりました。
これは、橿原市が八木西口~畝傍御陵前間にある病院前に新駅設置を要望したことに対して、近鉄側が難渋していたのが事の発端。
今回、橿原市に対して近鉄が明確に「八木西口か新駅か、どちらかしか残さない」と明言し橿原市もそれを承諾したことで、再び廃止が取り沙汰されるようになった形です。
【追記】2022年3月4日の奈良県議会でも取り上げられたようです。
橿原市の県立医科大学付属病院前に近鉄橿原線の新駅を設置する計画を巡り、八木西口駅の存廃を協議している県、市、近鉄の三者が、新駅と八木西口駅を併存させないことで合意したことが、複数の関係者への取材で分かった。市は八木西口駅を残したまま新駅を設置するよう近鉄に求めてきたが、近接地での併存は困難とする近鉄の意向を尊重した。新駅を設置して八木西口駅を廃止するか、新駅を設置せず八木西口駅を存続させるかについては引き続き検討する。
関係者によると、両駅の併存を求める市の文書での申し入れに対し、近鉄は2月25日付の都司尚社長名の文書で併存は困難とする旨を回答。亀田忠彦市長もこれを受け入れた。
出典:奈良新聞『併存なしで合意 – 近鉄橿原線の新駅と八木西口駅』2021年3月16日
八木と新駅は近すぎる!
八木西口駅は1923年に開業。当初は八木駅でしたが、大阪線の(大和)八木駅を設置したことにより、6年後には「八木西口駅」と改称されました。
この駅はちょっと特殊な形態で、大和八木駅の駅構内扱いなのです。
運賃計算上、八木西口駅までの運賃は大和八木駅までの運賃で計算する特例が適用されています。これは大阪線と橿原線をつなぐ連絡線を作った際に作られたものです。
例えば、大阪上本町~大和八木までの切符を買うと、八木西口駅でも下車可能になっています。
当地の位置関係はこんな感じ。
隣の大和八木駅までは僅か400m、一方で畝傍御陵前駅までは2.3kmと極端に偏った位置にある八木西口駅ですが、奈良県立医科大学附属病院付近に計画されている新駅を設置すると、八木西口駅からは500m程度の近距離となります。
仮に八木西口駅を廃止すると、大和八木~新駅までは900m、畝傍御陵前駅までは1.7km程度とバランスの取れた駅位置になります。
さぁ、果たしてどちらになるのでしょうか。